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みをつくし料理帖

2020年10月23日 | 映画
みをつくし料理帖
を観ました。


享和二年の大坂。8歳の澪と野江は、暮らし向きは違えどもまるで姉妹のように仲が良かった。ところが大坂の町を襲った大洪水で、二人の仲は無残にも引き裂かれてしまう。両親を失った澪は偶然通りかかった天満一兆庵の女将・芳(若村麻由美)に拾われるが、野江の消息はわからずじまい。それから10年の月日が経った。
江戸・神田にある蕎麦処「つる家」で女料理人として働く澪(松本穂香)は悩んでいた。店に雇われて三カ月目にして、初めて振舞った深川牡蠣の鍋料理。大坂出身の澪にとっては上方ならではの極上の味のはず。しかし江戸では殻ごと七輪で焼くのが基本。客からは不評を買ってしまう。
料理作りに試行錯誤する澪は、神田の町医者・永田源斉(小関裕太)から、江戸の料理の味が濃いのは大工などの職人が多いことが理由であることを聞き、「食は人の天なり」という言葉を知る。澪は気持ちを変えて江戸の味に合わせた料理を作り、常連客からは太鼓判を押されるが、どこか納得のいかない自分もいた。常連客で御膳奉行の小松原(窪塚洋介)はその心を見破り「料理の基本がなっていない」と一喝する。
スランプに陥った澪を見かねた町医者の永田は、吉原で行われる祭りに澪を連れ出す。祭りの出し物では、吉原の遊女たちが白狐の仮面をかぶった舞を踊り、見物客たちを楽しませていた。そこで澪は、吉原が作り上げた幻の花魁とも呼ばれるあさひ太夫の存在を知る。
吉原で食べた酢醤油の心太からヒントを得た澪は、「つる家」で江戸流と上方流を掛け合わせた心太を作り、店を繁盛させる。意外な形で店を切り盛りする澪の姿に手応えを得た店の主・種市(石坂浩二)は、澪に店を継いでほしいと打ち明ける。
種市の気持ちに応えるべく、澪はいまだ“ご寮さん”と慕う芳の協力を得ながら、不眠不休で理想の出汁を生み出した。その出汁で作ったのが、今はなき天満一兆庵で評判だった品「とろとろ茶碗蒸し」。その美味さは江戸中を魅了し、店はいまだかつてない活気を見せる。
そんな中、澪のもとを怪しげな影をまとった男が訪ねてくる。店の評判を聞きつけて「ある方の故郷をしのぶよすがに」と茶碗蒸しを求めてきた。そのある方とは、幻の花魁・あさひ太夫。男はあさひ太夫のいる遊郭・扇谷で料理番をしている又次(中村獅童)だった。
又次から上方の思い出話を求められた澪は、幼なじみの野江との話を聞かせる。大坂の新町廓にある花の井に下駄を誤って落としてしまったこと。すかさず野江が自らの下駄を落として「怒られるんも、罰当たるんも一緒や」と言ってくれたことを。
あさひ太夫のもとに茶碗蒸しを届けた又次は、土産話に澪から聞いた花の井の話をする。その話を聞いたあさひ太夫は言葉を失う。困っていた幼なじみを勇気づけるために花の井に下駄を落としたのは幼き頃の自分。あさひ太夫こそ、澪の生き別れた幼なじみの野江(奈緒)だった。


角川春樹監督・製作・共同脚本です。
久々に監督作品を観ました。

非常に王道的な作風の時代劇でした。
昭和のおじさん、おばさんがすんなり見れそうなテイストの世界観、映像の質感、編集でした。

わかりやすい演出と展開、そのわりに過剰に説明するわけでも無く場面場面は結構ズバッと切って、都度都度落とす感じで端切れが良かったです。
ちょっと順番を入れ替えてもったいぶる描写は近年のあるある演出ですが過剰に引っ張られるとストレスですが適度にすぐ回収されたので見心地は良かったです。
観てる人にすぐ予想つくことを必要以上に提示しないのは作り手のエゴを感じやすいですからね。

子供時代のプロローグが非常に重要で過剰にあとを引く作りですが時代ならではって感じでしょう。
女の子同士の非常に強い絆でそれを見守る温かい人々。
わかりやすく悪人の力を持ったライバル。
今年流行った梨泰院クラスみたいな強い人が弱い人にプレッシャーを与えていました。
勧善懲悪と友情というわかりやすい構図でそれは安定して面白いです。
舞台を見ている感覚になるくらいわかりやすい観心地でした。

周りは結構謎めいていたりするのですがヒロインがとことんわかりやすい朝ドラテイストなのでコントラストが良かったです。
そのキャラクターたちの塩梅としてはかなり絶妙なので誰もが共感して応援してしまうようなヒロインでした。

何か良いことが始まってそれがうまく行って。
途中困難があっても立ち上がってまたうまく行って。
そして離れ離れになった運命の幼馴染との再びの交錯。
主に年配の人は楽しめるであろう起承転結だと思いました。
自分もこういう作品に安心を覚えるようになったのだなとしみじみ思いました。

そして作品の規模に見合う上質で豪華なキャストも良かったです。

ヒロインは今絶好調で大好きな松本穂香です。
今本当にいろんな役をやっていて、王道作品からハイセンス系までこなして。
実質若手でトップ級の女優さんになってますね。
昔からフラーム大好きをアピールしてきた自分には嬉しい限りですが。
今作は彼女の素朴さの方が生きるような、可愛さより親しみやすさを全面に出していて。
どのタイプでもめちゃくちゃ好きですね。

友人役を奈緒が演じていました。
朝ドラ以降この子も非常に活躍してますね。
程よく整ったルックスとしっかりとした演技、憑依感はとても魅力的だと思います。
吉原の花魁な役でしたがとても様になっていて見事でした。

窪塚洋介が御膳奉行という、作中では裏方の絶対的な正義なキャラでした。
非常に魅力的で大好きでインスタライブもめちゃくちゃ拝見してますが。
役に入ればこうしてしっかりものにすぐなるのはさすがです。
この役に彼をキャスティングしたことも非常に高評価です。

吉原の店の料理番で奈緒のボディガード的な役を中村獅童が演じていました。
この人ももともと大好きで非常に魅力的な役者だと思っています。
寡黙で男気で様になっていました。
窪塚洋介とのピンポンコンビの共演は嬉しかったですね。

藤井隆が作家で常連で、最初はちょい役かと思いきやかなり重要な役でした。
彼らしいわかりやすいコミカルさが発揮されていて良かったです。

石坂浩二が松本穂香を雇って店も譲るとても良いお父さん的ポジションでした。
流石に渋くていい味だします。
ずっと若いままのイメージがありましたがそれなりにおじいさんの役もハマるようになりましたね。

小関裕太がヒロインの恋人候補みたいなポジションでしたがイマイチ目立っていませんでした。
なんかこの人の扱いだけもう少し存在感与えたほうが良い気がしました。

ちょい役ですが衛藤美彩が出ていたので乃木坂46好きとしてはちょっと嬉しかったです。

若村麻由美、反町隆史、鹿賀丈史、薬師丸ひろ子、浅野温子、村上淳など脇役はとても豪華で引き締まっていました。

非常に見心地の良い上質な時代劇エンターテインメントでした。


そんなわけで7点。
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