メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

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グラン・トリノ

2009年05月05日 | 映画
グラン・トリノを観た。

クリント・イーストウッド監督最新作で俳優引退作品と言われている映画です。

妻が死に、頑固が故自分の子供や孫達にひどく嫌われているウォルト・コワルスキー(クリント・イーストウッド)。
言葉使いも悪いし差別発言ばかり。
かつて戦争で多くの人間を殺した事の十字架を背負い、それが深い心の傷となっている。

孤独で毎日愛車グラン・トリノを磨きそれを愛犬と共に眺めながらビールを飲む日々。

そんな彼の家の隣にモン族の一家が越してくる。

その家の次男タオ(ビー・ヴァン)はギャングをしている従兄弟に何かと絡まれる。
そして隣のグラン・トリノを盗めと命令される。
しかしウォルトに見つかり未遂。

そしてタオの一家が従兄弟に絡まれているところをウォルトが助ける。
(実際は自分の庭でもめていたから追い出したかっただけ)

母親と姉のスー(アーニー・ハー)と共に謝りに来て暫くの期間ウォルトの手伝いをして償いをさせてくれと言う。
スーとタオ以外は英語が話せず、タオは内気な為社交的なスーがウォルトと親交を深める役目をする。

タオの家族を助けた事により毎日モン族の人間達が感謝の品を捧げに来るようになる。

そして自分の家族とも上手くやっていけない頑固じじいは徐々にタオの一家と心を通わせるようになり、タオの純真さに惹かれ我が子の様に教育し始める。


(ネタバレ)
かなり治安の悪い街で、絡まれるスーを助けたりする。

タオには男の振る舞いを仕込み、仕事も斡旋し、恋の駆け引きも教える。
そして長年かけて集めた宝物の工具をタオに貸したり、自前の物を買ってあげたりして仕事に励ませる。

しかしそんなタオをおもしろく思わない従兄弟達ギャングがタオを殴ったり工具を壊したりする。
それを知ったウォルトはタオとスーに手を出すなとギャングに仕返しをする。

そしてウォルトの体は病に侵されていた。

せっかく上手く行きかけていたある日、ギャング達が仕返しにやってきてタオの家がひどく銃撃される。
そしてスーは殴られレイプされたボロボロの姿で帰ってくる。

自分の責任だとひどく憤り、悔しがるウォルト。
何かと話し相手をしにくる若い神父と酒を飲んで自分の行いや、これからすべき事にひたすら悩む。

ギャング達をこの世から消さないとタオとスーに幸せは来ないと思うウォルト。
復讐に燃えるタオを騙して、一人でギャングの棲家へと乗り込むウォルト。
そして堂々と正面から敵を呼び出し罵る。
そして銃を取る振りをしたところ慌てたギャング達の銃弾を全身に浴びて死ぬ。

ギャング達はみんな長い刑を受ける事になる。

どうしてもタオに人殺しをさせたくなく、実は銃も持たずに乗り込んでいた。
そして自らの命を犠牲にする事によりタオとスーの生活を守ったのだった。

言葉使いの悪い彼の遺言が読み上げられ、ワクワクする家族の期待を裏切りグラン・トリノはタオに譲られた。


(評価)
文句無しの名画でした。

頑固じじいモノに弱い僕にとっては、そりゃ泣くわって話です。

とにかくイーストウッドの渋い演技がたまりませんでした。
言葉使いの悪さもとっても良かった。
渋い感じで喋るからついつい流してしまいがちですが、台詞の中のコメディ要素はかなりセンスよくかなり笑えました。

徐々にモン族と打ち解けていく感じはとても優しい気持ちになりました。

相変わらず最後がダークで悲しい感じですが、これがイーストウッド作品でしょう。
人間ドラマはこう描く方がより深いと考えての事でしょう。

映画館でポロポロ涙がこぼれてしまいました。

そんなわけで9点です。

チェンジリングから間もないですが、両方共に非常にクオリティ高いです。

イーストウッド作品は素晴らしい!
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