メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

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「ごらん、世界は美しい」

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借りぐらしのアリエッティ

2010年09月10日 | 映画
借りぐらしのアリエッティ を観た。

今年の夏のジブリ作品。
宮崎駿の企画・脚本で米林宏昌監督の初監督作品です。

人に見られないように暮らしている小人のお話です。


(お話)
翔は心臓病の為、郊外に住む大叔母の牧貞子の屋敷へと療養にやってくる。
そして屋敷に到着すると葉っぱの陰を移動する綺麗な小人を見かけ驚く。

小人のアリエッティと父のポッドと母のホミリーはその屋敷の軒下でひっそりと暮らしている。
自分たち以外にはもう小人は居ないんじゃないかと不安に思っている。

ポッドは人間の子供が今日やってきたから見つからないように気をつけろをアリエッティに言う。
既に見られたんじゃないか?と疑う母にアリエッティは見つかってないと自身満々に言う。

そしてその日父に連れられ借りにデビューする。
小人達は人間の家から気づかれない程度に少しづつモノを借りる。
その日の目標はティッシュと母の為の角砂糖。
アリエッティは父に連れられ初めての借りへ向かう。

人間の家は貞子と翔と家政婦のハルの3人が住んでいる。

初めて観る人間の生活世界の風景に圧倒されはしゃぐアリエッティ。
そして父の鮮やかな身のこなしに感嘆する。

角砂糖を手に入れ、アリエッティはまち針も手に入れる。
そして最後ティッシュを取ろうとした時、アリエッティは思いっきり翔に見つかる。

「怖がらないで、今日庭で君を見かけたよ」と言う翔だがアリエッティとポッドは借りを中止し逃げる。
その際アリエッティはせっかく手に入れた角砂糖を落とす。

落ち込むアリエッティ、ポッドは人間に見られたので引越しを検討し始める。

翌日翔は軒下の入り口に『わすれもの』と書いたメモと角砂糖を置く。
アリエッティは両親の忠告に反して意を決して翔の元に角砂糖を返しに向かう。



(評価)
世間的にイマイチヒットしてる空気を感じませんが結構面白かったです。
いやかなり素晴らしかったと思います。

絵のタッチはほとんど宮崎駿と同じです。
弾力感のある感じの動き、ドロドロした液体の感じなど観ていて気持ちがいいです。
おもちゃの様な小さな世界の暮らしは大人でも子供時代の心を蘇らせられるようなワクワク感がありました。

声優に合わせた様な動きをするのでその辺の質も高かったです。
樹木希林が声を担当したハルさんはコミカルでとても良かったです。
声優のチョイスや演技は絶妙だったと思います。
母親のホミリーだけが少々大竹しのぶ感が出すぎている気がしました。

物語や世界は非常に小じんまりとしたもので、映画の尺も短く全体的にコンパクトで観やすいです。

小人と人間の間に恋のような絆が生まれそして別れる。
普通に泣きそうになりました。
最後の「助けてくれて嬉しかった」と言う台詞が実に良かったですね。
ホミリーを助けに行くため翔とアリエッティが協力して、そして二人が絶妙なコンビネーションで行動する場面も何だか泣きそうでした。

主人公のアリエッティの無理に気を張って強がってる感じ、人間を絶対に信用しないが翔の優しさに気づき徐々に心を許していく感じはもののけ姫スタイルです。

映画の設定、劇中で使う素材、キャラ達の仕草、等々ジブリ作品独特のセンスがありますが、この作品はその辺のセンスがかなり高かったと思います。

そんなわけで8点。

どの年代の人が観ても感動出来るのではないでしょうか。



(ネタバレ)
翔に角砂糖を返しに向かったアリエッティ。
翔はあいきにてくれたと喜ぶ。
アリエッティはもう関わらないでと言う。
そこでアリエッティはカラスに襲われ翔が助ける。
家政婦のハルも来てカラスを追っ払うがハルは翔が小人の存在を隠してるんじゃないか?と疑う。

貞子はこの家は代々小人の存在を信じていて小人の為に小人用の家や家具を用意していると言う。
みんな優しい人達でいつか小人に出会えたらそれらをあげようと考えている。
そしてその夢を翔に受け継がせる。

翔は早速小人の家にそれらの家具を置く。
アリエッティ達は地震かと怯えパニックになる。
しかし母は置かれたキッチンに喜ぶが父は引越しを決意する。

アリエッティは翔に会いに行き、あなたのせいで引越しをしなければならなくなったと怒る。
翔の可愛がる猫はアリエッティに敵対心をいだいている。
翔は君たちは地球上に沢山いる滅び行く種族のひとつだと言い、それを聞いたアリエッティはさらに激怒する。
翔は謝る、実は居なくなるのは僕だ、僕は心臓病でもうすぐ死ぬと言う。

そんな翔をハルはいつも陰から見ていた。

ポッドは引越し先探しの最中足を怪我するがスピラーという男の子に助けられる。
スピラーは一人で暮らしている小人で外の情報に詳しい。
アリエッティとホミリーは自分たち以外にも小人が居ると喜ぶ。

そして引越しの準備の最中、ポッドが計画を立てるために外に出てる最中翔の行動からアリエッティ達の家の場所を知ったハルは遂にホミリーを見つけホミリーは捕まって瓶に入れられてしまう。

それに気付いたアリエッティは翔にお願いしてホミリーを探しに行く。
二人は絶妙のコンビネーションで翔の部屋を抜け出しホミリーを探す。
ハルは小人の存在を世の人に信じて欲しいが故にネズミ駆除業者を呼ぶ。

急いでホミリーを探す二人、ハルの行動から翔はホミリーの居場所を察しアリエッティに伝える。
そして無事助けだす。

そしてアリエッティ達は引っ越す。
引越しの最中猫に別れを告げると、猫は翔をアリエッティの元へ案内する。
船(薬缶)に乗ろうとしているところで間一髪アリエッティに追いつく。
警戒するスピラーだが翔が敵でないと理解する。

アリエッティは「助けてくれて嬉しかった」と翔の指を抱きしめて泣く。
翔は手術をして生きるために頑張ると言う。
そんな翔にアリエッティはお守りと言って髪留めを渡す。

翔は小さな小さな髪留めをもらいアリエッティを見送る。

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