メザスヒカリノサキニアルモノ若しくは楽園

地球は丸かった 太陽が輝いていた
「ごらん、世界は美しい」

感動の映画と美しい風景と愛おしい音の虜

カラフル

2010年09月06日 | 映画
カラフル を観た。

クレヨンしんちゃん映画版でお馴染みの原恵一監督最新作ですね。

麻生久美子や宮崎あおいが声優で参加しているので観に行きました。


(お話)
天上界と下界の間、行き先の決まって居ない魂達が並んで順番を待っている。
そこでぼくの魂は抽選にあたったのでもう一度下界に戻るチャンスがあるとプラプラという謎の天使に告げられる。
それは生前に犯した罪を思い出し償う修行。
見ず知らずの死にそうな人間の体に入ってその人間になりすまして修行する。
ぼくの魂はプラプラと共に下界に降りる。
そしてぼくの魂は自殺して息を引き取ったばかりの小林真という少年の体に入り込む。

ご臨終を告げられ悲しむ家族は目を覚ました真に大喜び。
母と父と兄の満に看病され無事退院する。

真のことを知らないぼくはどう振舞っていいか分からず困る。
明るく家族と仲良くしゃべる。
家族も感じが変わった真に戸惑う。

そしてプラプラに生前の真の情報を聞かされる。

美術部で絵を描くのが好き、友達は居ない。
死んだ日、片想いしていた後輩のひろかが売りをやってる現場、ホテルに中年男と入って行くのを見てショックを受ける。
そしてそのホテルから母がフラメンコの先生と出てくる浮気現場を目撃し絶望した。

ぼくはそれを聞いて母を軽蔑する。
母とほとんどコミュニケーションを取らなくなり、浮気相手に触れていた手を想像して気分悪くなり母の料理を一切食べなくなる。

学校でもみんなに感じが変わったと驚かれる。
美術部に復帰するが絵は描かず、以前真が描いていた絵を見て過ごす。
そこだけがぼくが安らげる場所だった。

しきりに絡んでくる、とてもモジモジした女の子の唱子を鬱陶しいと思う。
雰囲気が変わった、小林君じゃないと言ってくる。

同じく絡んでくるひろかは可愛くて好感を持つ、売りをやっていたことが信じられない。

真に絡んでくる人間はこの二人だけ、真はいじめられっ子だった。

家庭では母への拒絶は日々強くなる。


(評価)
なかなか素敵な映画でした。
タイトル通り、全般に渡って色に気を使ってる感じがして良かったです。

設定は少々面倒ですが、生きる事をテーマにしたシンプルなお話だったと思います。
しんどいけど希望に向かって頑張って生きよう!とミスチルの歌みたいな前向きなお話でした。

人間の世界がまだまだ狭い感じの中学時代の感じが良く出ていたと思いました。
学校と家庭のみの生活。
学校ではおとなしいくせに、母への反抗期な感じもちょっとリアルに感じました。
母がとてもかわいそうでした。

母の声は麻生久美子でしたが、正直もっと適任がいた気もしました。
自分が麻生久美子好きなせいか、麻生久美子感があまりに前面に出過ぎててちょっと違和感でした。
唱子役の宮崎あおい、父役の高橋克実に関しても同じです。
元々の声に特徴があり過ぎるので。

個人的にはこうやって声に特徴あり過ぎる役者や売れてる役者を声優に使うと、アニメのキャラを殺してしまう感じがあるのであまり好ましくないです。
純粋に観れないし、誰の声だっけこれ?って考える時間とかが嫌いです。

売れてない役者かメディアに露出してない声優を使って欲しいです。
主人公は大抵そうなるんですけど脇役はそうならないんですよね。

今のアニメ映画では商業的戦略の為、売れっ子の役者を使わないわけにはいかないのでしょうけど、こだわってくれる作り手さんが現れるのを待ってます。

廃線になった都電後を友達の早乙女とめぐる所がとても素敵でした。
コンビニの駐車場での買い食いシーンも良かったです。
自分の進路を自分で決めたと家族の前で泣き出すシーンも感動しました。

独特の設定で始まるのでラストには当然これといったオチがあるのですが、わかり易いオチで良かったと思います。
人間は一色じゃない、カラフルでいいじゃないか、ととても清々しいラストでした。
少年がほんのり成長の階段をひとつ上がったのを見たような、素敵な気持ちになりました。

そんなわけで7点です。

少々期待しすぎてしまったかもしれませんが、絵の感じや展開の分かりやすさが良かったです。
見易くて時間以上にあっという間に観終わった気分でした。

エンディング曲がブルーハーツのカバーの青空で素晴らしかったです。



(ネタバレ)
クラスメイトの中で早乙女という男だけが誰隔てなく真にも話しかけてくる。

真はひろかが通ってる駄菓子屋を訪ね、以前見かけたホテルに向かうとそこには以前と同じように中年男とホテルに入ろうとしているひろかが居た。
真は無理やりひろかを連れ出しひたすら走って逃げる。
しかしひろかは体を売るだけでお金をもらえるとあっけらかんとしている。
真なら2万でもいいよと言われ真はひどくショックを受ける。

そんな真を心配する母に遂に浮気の事で悪態をつきプチ家出をする。
そこで真はせっかく買ったお気に入りの靴を不良たちに殴られ奪われる。
ひどく怪我をして倒れていた真を満が発見し助けて帰る。

しばらく学校を休んでいた真を唱子がお見舞いにくるが唱子にも悪態をつき押し倒してしまう。
唱子がひろかと真が一緒に居るところを見た人が居ると言ったのであの日ひろかの前に会った早乙女を恨む。

早乙女に文句を言おうとするが早乙女はやたらいい奴で怒りも失せる。
そして早乙女の趣味の都電跡めぐりに付き合い楽しいと思う。
二人は親友になる。
そしてクラスで成績ビリの真とビリ2の早乙女は一緒の高校を目指す事にする。

父は真を釣りに連れて行き母さんを許せと言う。
真は父は母の浮気を知っていたと悟る。

家族は真の為に密かに真の進路をどうしたら良いか探っていた。
兄は金銭的な面も考慮して自分の受験を来年に伸ばし真の為に自由な校風で芸術にも力を入れている高校のパンフレットを取り寄せる。
母は真が通う可能性がある学校を全て自分の足で行ってみる。
父は兄の見つけた高校がいいと進める。
真もその高校がいいけど行かないと言う。

いつまで家族に反抗すれば気が済むんだと怒る満。

しかし真は初めて出来た友達の早乙女君と同じ高校に行く約束をしてしまった。
僕は特別を望んでいない、普通に友達と学校に通って帰りにちょっと遊んで帰る。
そんな普通の高校生活を送りたいと涙ながらに伝える。

家族はそんな真の気持ちに納得する。
父は、自分も母も満も一度死んだ真が生き返っただけでとんでも無く嬉しくて、自分たちも変わったと言う。
真は遂に母の料理を食べる。
うれし泣きをする母。

そして修行最後の日がやってくる。
修行が失敗だと真は今度こそ死んでぼくは天上界に行ってしまう。

真は早乙女に僕が変わっても友達でいてくれと伝える。
早乙女は頷く。

ひろかは自分が分からない、異常だと泣き出す。
お金ほしくて売りをしたくて仕方ない日と、後悔で死にたくなる日が交互に訪れると。
真はみんなそうだからひろかは異常じゃ無いと教える。
ひとつだけ、死ぬのはやめた方がいいとだけ優しく伝える。

唱子は昔から密かに真の事を見ていた。
それは真が好きなのでは無く真を目指していたからだ。
1年の頃真も唱子もひどいいじめに遭っていたが真はそれらをやり過ごすスタイルを作った。
受け流すスタイルを身につけた真はひたすら無視されるようになりいじめを受けなくなった。
そして辛くても絵を描いていれば安らげると。
それを真似して唱子も美術部に入った。

真は唱子にお見舞いに来たときの事を謝る。
唱子は真の雰囲気が元に戻ったと喜ぶ。

プラプラに屋上に呼び出された真。

そして自分が生前に犯した罪を思い出し修行は成功。

プラプラは真の中から自分の記憶を消すと言う。
真とプラプラの涙の別れ。

高校生になった真は早乙女と共に自転車で走る。
謎のPという人から「生きてるか?」とメールが来る。
「生きている」と答える真。


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