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ほしのこえ

2010-01-19 22:24:59 | アニメ


「ほしのこえ」は、携帯メールをモチーフとした、宇宙と地上にわかたれた少年と少女の超遠距離恋愛のお話(作品全長25分)。
新海誠氏が、監督・脚本・演出・作画・美術・編集などほとんどの作業を一人で行った約25分のフルデジタルアニメーションだ。

第1回新世紀東京国際アニメフェア21・第7回アニメーション神戸・第6回文化庁メディア芸術祭・第8回AMD AWARD・デジタルコンテンツグランプリ2002受賞作品。

私がこのアニメを見るきっかけとなったのは、1年生の美術の課題に出した『読書感想画』で、この作品を描いて来た生徒がいて、その内容に興味を持ったからだ。
地球と宇宙に引き裂かれる恋人達を繋ぐのは一本の携帯電話によるメール。
そのメールが届くのが、宇宙船の移動とともに1週間から1ヶ月、半年、1年、8年とかかってしまう。その絶望的な距離と時間を切なく描く詩情あふれるアニメだ。
設定やキャラクターを際立たせる背景美術が素晴しい。本当に絵が上手い。何気ない日常の一コマや、小道具、風景や建物のアングルが、台詞はないのに雄弁に物語っている。その存在感は登場人物にも匹敵するようだ。ただの水溜りがあんなに美しく、電柱やバス停にいたるまで全てのモチーフの描き方に愛情を感じる。
宇宙に行ったきり帰って来られない15歳の少女が、地球と恋人を恋しがる気持がびんびんと伝わってくる。

私も、故郷を離れ、ホームシックに苛まれて初めて帰省した時、故郷の無人駅のトイレのドアや電柱にまで頬ずりしたくなるような愛おしさを感じたのとすごくリンクする。

一緒に見ていた中2の14歳の娘は、
「切ない、切ない」
と言いながら見ていた。

宇宙に旅立った彼女が未だ15歳なのに、地上に残った彼はどんどん年をとっていく・・・。
8年後に届く「HAPPY BIRTHDAY!」のメールに、その届く時点での彼の年齢をメールに打つ彼女の気持はどんなだろう。
そのメールを待つ8年間と、それを受け取る時の彼の気持はどんなだろう?・・・

夜空を見上げると、無数の星が輝いている。
あの星の光は何万光年を経てこの地上に届いているのだろうか?
その星の光源は、その光が地上に届く間に消滅しているかもしれないのだ。
私が生まれた時にできた星の光が、今、この時、ようやく地球に届いているかもしれない。
そう思うと、夜空の星の輝きは本当に神秘的だ。

久しぶりに、元アニメ背景マンとして眠っていた「何か」を揺り起こされるようなアニメだった。

【ほしのこえ】http://www2.odn.ne.jp/~ccs50140/stars/index.html
【新海 誠】http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E6%B5%B7%E8%AA%A0
      http://www2.odn.ne.jp/~ccs50140/


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