「フォード・エコスポーツ タイタニアム」のプロフィール
サイズ:全長×全幅×全高=4195×1765×1655mm
ホイールベース:2520mm
車重:1270kg
駆動方式:FF
エンジン:1.5リッター直4 DOHC 16バルブ
トランスミッション:6段DCT
最高出力:111ps/6300rpm
最大トルク:14.3kgm/4400rpm
タイヤ:(前)205/60R16 92H/(後)205/60R16 92H
(グッドイヤー・アシュアランス:インド製)
燃費:14.5km/リッター(JC08モード)
価格:246万円/
我が家のフィエスタ、1ヶ月遅れの1ヶ月点検(なんかややこしい言い回しw)を先週の土曜に終えました。当然ながら何も問題なかったですが、メンテナンスメニューに入っていたエンジンオイル交換を2500kmの走行距離ではありましたが施行。担当の営業さんと軽く雑談した後帰宅しました。エンジンオイル推薦→5-20Wですが、輸入車は詳しくないが国産車はかなり詳しい古い知人(自動車整備などを生業としてます)の話だと「ターボ車なのにそんなに緩いオイルで壊れないの?」と驚かれました。彼の一言は私にとっては大きいので(色々助けられた経験があるので)、今後のメンテの参考にしたいと思います。営業さんにもその話をしました。5-30Wくらいなら影響ないのでは?というのが知人と営業さんの共通した認識です。
ということで、その点検中にエコスポーツの試乗をすることになりました。
●全体的な印象
いつもこの項は最後に書いてましたが、今回は先に書きましょう。「道具感の強いクルマ」。これに尽きます。これに試乗してフィアットパンダを思い出しました(乗ったことあるのは先代ですが)。ルノーキャプチャー、スバルXVに比べると苦戦するでしょうね。輸入車を買う人は日本車には無い「何か」「プラスα」を求めますが、それが見い出しにくいです。
●外見
ということで、順序が逆になってしまいましたが、外から見た印象からいきましょう。
背面タイヤは個人的に好きじゃないです。ショールームを訪れたお客さんの中にも同様な感想を持っている人がいるとのことですが、少数意見なのかどうかはわかりません。クルマ好きな私はフォード車を見かけるとほぼ必ず振り向きます。台数が少ないんで目立つんですよね。しかし「日本に導入したばかりのエコスポーツなのに、フォーカスやフィエスタに比べて信号で並んだ車のドライバーの視線を感じない。」とはセールス氏談。なんかわかる気がします。思い出すのは顔と背面タイヤであり、それ以外の記憶が薄いのです。否定的なことばかり書きましたが、写真で見るより実物の印象は良いです。カッコイイとはいいませんが、なかなかクリーンなスタイリングです。タイヤの径が小さいので、力強さは薄いですが「ショボい」とは思わなかったです。
●室内に入ってみると
SUVならではの「ドアを開けてから座席への入りやすさ」は健在で、前後席とも同様です。頭をかがめて腰を曲げることなく、お尻が直線的に着席位置に移動できるのでとても楽ですね。これだけでSUVっていいなぁって思います(^^)。
運転席に座った景色に違和感なし。車輛感覚は把握しやすいと感じました。内装のプラスチックの感触は正直言って安っぽいです。syncの液晶画面も昔の電卓のようなドットの荒いブルー液晶で、高彩度フルカラー液晶に見慣れた現在、結構なガッカリ感を感じます。
ハンドルのオフセットはわずかに左へオフセットしていますが、1cmといったところ。特に不満は感じない程度です。アクセルとブレーキペダルはこれも少し左にオフセット。ブレーキペダルの一がハンドルの中心からどのくらいの位置にあったか、、、すいません、検分忘れです(汗)。SUVならではの「ペダルを上から下に押しつける感じ」。これはセダン等と違って、運転中はかかと全体で右足を支える格好になりますので、かかとを痛めるリスクは減ります。これは自分の大好きなドラポジです。シート、ハンドル、ミラーを調整していくと、割と簡単にドラポジは決まりました。
シートの材質は特に高級感はないものの、安っぽさをそれほど感じさせず、かつ1時間程度の試乗では身体が痛くなるような不具合も見受けられませんでした。
●早速運転してみましょう
高速道路は特にパワー不足は感じず、といっても余裕もないです。エンジン音、これもどうということはない高級でもなければ安っぽくもない、、、といいたいですが、若干安っぽいかなぁ。これは人それぞれですので、気にならなければそれで良いかと。日本の法律に則った高速運転ではとくにイライラは感じません。電動パワステはいかなる場面においても希薄で、切り足し及び戻し、いずれもそうでして妙なフリクションも感じ、ちょっとヘンだなぁこれ、と思いました。路面状況は感じにくいのですが、ヘンなりにリズムが同じなので慣れればどうと言うことはないのですが、気にする人はいるでしょう。
山道を走りましょう。いつもの上り坂ですと明らかなパワー不足です。高速道路では特に不満を感じなかったのですが、さすがにいつもの急勾配ではキツかったか、、、1.0Lエコブースト(フィエスタと同じやつ)が欲しいですね。ブレーキの効きは輸入車の常でしっかりききますが、カーブに差し掛かってハンドルを丁寧に切っていくも感触が希薄andヘンなためタイヤがどの程度向きが変わってどの程度グリップしてるのかどうにも掴みにくい。試しにオーバースピードでハンドルを切ると走行ラインが膨らんでいく(車線からはみ出そうになる)ので軽くブレーキを踏みつつラインキープ、速度が落ちたらアクセルベタ踏み、というリズムになります。なんどかカーブをクリアしていくと、カーブの曲率とクリアできる速度が何となくつかめていくと、なんとかその後のカーブはクリアできるようになります。ちょっと難儀しました。なので、いつものコースの2/3程度で市街地に下ることにしました。
市街地を走ると、まずは発進時に1速目がかなり引っ張り気味になっているのがわかります。2速以降はそれほどでもありません。DCTの変速マナーは、フォーカス、フィエスタ同様、キレはそれほどでもなく、変速時間は長め。通常のAT車から乗り換えても全く違和感は無いでしょう。DCTが出たての頃のアウディA3を知っている人にとっては「トロい」と思うでしょうね。ロードノイズはフィエスタよりも少なめに感じましたが、エンジン音が大きめなのでプラマイゼロといったところか。町中の車線変更、ちょっとしたカーブを曲がる程度では、電動パワステのヘンな感じはやや薄まります。
ボディの剛性感はそれほど感じないものの、足の動き、車の動きとのリズムがボディ剛性と良い塩梅でバランスが取れているので「ヤワなボディ」と感じさせないようになっている、と私は受け取りました。大きめのタイヤを履いているのに、不正路面を「ドドドド」と通過しても重いモノを引きずっているドタバタ感があまりないのは、ボディの基本はキチンとできているからでしょう。
●結論
正直、ルノーキャプチャー、日産ジューク、など、ライバルひしめくこのジャンルではやや苦戦するのではないでしょうか。このカッコが好き、または内装の材質が安っぽいのが気にならない(フォルクスワーゲン車の「これでもか」的なコストのかけ過ぎがハナにつく)、道具感が好きといった人なら良いでしょう。言ってみれば、輸入車歴が長く、いいだけ楽しんだ人はいいかもしれません。自分がセールスマンだったら、これを説明するにはどうしたらよいのか思いつかない、、、といった感じです。某雑誌「ざ・総括」コーナーでは「この車はいい」と一言だけ書かれていたので、そちらの具体的な評価が気になるところです。