ni-tomoの日記

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『ハムレット』

2012-02-19 21:27:06 | 舞台観賞の日

シアタークリエで『ハムレット』を観賞してきました。

シェイクスピアの4大悲劇の1つということは知ってるけど、あんまり話は知らないのです。シェイクスピアの悲劇なので、登場人物のそれぞれが思い込みの激しさの果てに死んでしまうのだろうなぁ・・・というくらいの不確かな想像だけで、見てきました。

上演時間1時間50分・・・よくぞ、あの長い話をこの短い時間にまとめてくれました

『ハムレット』の原作を熟知してしてる人やハムレット・ファンには、物足りなかったのかもしれないけれど、ハムレットを知らない私にも充分楽しめる内容でした。正直なところ、「話がわかったか?」と言われれば「う~ん・・・」というところもあるのだけれど、個々の登場人物の様々な感情を見せるのではなく、特徴となる感情のみを表現してることでキャラクターがわかりやすい。ストーリーを追うというよりも登場人物を見ていきながらシンプルに受け止めていった方が楽しめる作品だと思います。

ハムレット役はプリンス井上芳雄クン。悶々と悩み、自分で勝手に不幸を背負い込んでしまうおぼっちゃんを演じさせたら芳雄クンはピカ一。今回の作品は負の感情だけの演技と歌声が延々と続くけど、大事なことは復讐の感情を持っている人物が王子であるということ。汚い感情を抱えても、その人の生まれ持った高貴さは簡単には消えないもの。そんなところを、芳雄クンは見事に表現してくれました。ファルセット・ボイスで聴かせてくれたナンバーは王子の哀しい嘆きが感じられ、素敵なシーンになっていました。

それから、レアティーズを演じた伊礼彼方クンの歌唱力が素晴らしく上昇していたことにビックリ。もともと良い声を持ってる役者さんだとは思っていたけど、声量と音域がもう少しかなぁ・・・って思ってました。ところが、ところが今回のレアティーズは高音もしっかり出てるし、感情と共に声を張り上げ、舞台上の彼方クンがとても大きく見えました。

そして、ガートルードはさすがの涼風真世さま。歌声はもちろんなのだけど、あの年齢不詳の美しさは一体?!ガートルードのドレスは背中が大きく開いていたり、肩が見える素敵な衣装。前から4列目でしっかり見させていただきましたが、肌が白くてとってもキレイ。歳を重ねれば重ねる程、美しくなっていく涼風さん・・・・怖いです(笑)。

曲は全体的に良かったと思うけれど(生バンドを使ってるというだけでロックっぽさはあまり感じなかったけど)、詩が少々気になりました。外国作品を日本で上演するのだから歌詞の中に多少の不自然さがあっても致し方ないと思っているけど、オフィーリア&レアティーズの「ぶらざ~」「しすた~」が良くも悪くも印象が強く、ハムレットの「び~、のっと・び~」が最初何の意味だか全くわからなかったんです。予習をしておらず初見ということもあり、歌詞がなかなか消化できず苦労しました

演出は栗山民也さんですが、オフィーリア像の描き方なども含めて栗山さんらしさが随所に感じられます。チケットの売れ行きが好調ということも納得の作品。リピート鑑賞して、自分なりの解釈を深めていきたい作品です。クリエじゃなくて、大劇場でもいけるんじゃないかなぁ。再演希望です


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