徒然草と酔っ払い

現在は、例えて言うと、徳川の将軍様でも飲めなかった様な酒が頂ける時代なんです。
最も良質な日本酒が揃う黄金時代と、言っても良いでしょう。
そんな最高な時なのに、日本酒の売り上げは芳しくありません。
若者の酒ばなれや、高価過ぎる日本酒など、問題も多いのですが。

７０年代後期、日本中に、まだ三増酒が闊歩していた時代。
ヒゲは、酒のメニューの品揃えを模索中でした。
今日は、その時のコンセプトを紹介します。
品の良い言い方なら、徒然草風に　「　花はさかりに　月は隈なきをのみ　見るものかは　」
品は落ちるが分かり易い表現での言い方なら、「　売春窟での女性揃え　」　（笑）
Ｆカップの子も居れば、シンデレラ貧乳も居る。
おっぱいの好みも千差万別。
３サイズのボインボインとしたＭ・モンロー型の豊潤甘口好みの殿方も居れば、
楚々としたスレンダー型の淡麗辛口の酒もまた良し。
ぴちぴちギャル風な搾りたて生な酒もイイが、時を経た熟女の古酒も捨てがたい。
まこと、酒の好みも、人それぞれ。

現在、日本の酒は、十四代や飛露喜系のお酒が席巻しています。
なるほど、この酒は、隈なき月でしょう。
見事に整った酒です。
しかし、ハリウッドタイプ系の美女ばかりでは、飽いて仕舞うと思いませんか？
だって、完全な円なんて、何かつまらない。
少しいびつな酒蔵癖も、また魅力的。

歳も関係します。
例えば、今流行りの　“　純米吟醸・無濾過生原酒　”　のカテゴリーの日本酒。
美味い酒です。
ヒゲも、鑑評会なら精一杯利くでしょう。
しかし、仲間内で飲む時には、年を取ったヒゲには、この手の酒は少しシンドイ。
せいぜい５０mlのお猪口一杯ぐらいで充分。
会話が進む時には、本醸造系のサラリの酒の方が都合良い。

グルメ漫画　“　美味しんぼ　”　の影響で、　「　日本酒は純米酒であるべきだ　」　の
風潮が流れています。
本醸造派の大酒飲みのヒゲは、肩身が狭い思いです。　（笑）
この純米酒こそが流行であるとばかり、みんなドドドと偏るのは危険じゃあないの？
日本酒の多様性を忘れて、猫も杓子も“　ＹＫ３５　”　の大吟醸ばかりを造って、
挙句飽いて仕舞った過去を、忘れないようにしたいモノです。

　　
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