ビリボーイ

『　ビリギャル　』　と云う映画がうわさになっている。
内容は、どんビリの成績の女の子が、努力を重ねて慶応大に受かったサクセスストーリー。
塾教師と共に、たった一年で受験に成功した実話の映画です。
　　　　　

今日は、昭和３０年代の熊本市に居た、実在の　『　ビリボーイ　』　を紹介します。（笑）
城東小学校、六年生最後の通知表が渡されました。
時代は、五段階評価の頃。
恐る恐る、親に手渡した通知表。
２と３が交雑する中に、音楽１　・　国語１　・　体育１が、チョー目立ちます。
ぼう然と見つめる両親。
当時でも、　『　１　』　は非常にレア物でした。　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
その成績のまま、スライドして隣の藤園中学校に進みましたから、学年順位は当然ビリっこ。
そんなビリボーイが、或る日、何故か不似合いな（！）レコード盤を手に入れました。
“　月光仮面　”　のＳＰ盤しか聴いたことが無いクセに、
高価なＬＰ盤を小遣いはたいての暴挙！？
Ｇセル指揮のクリーブランド管弦楽団の　《　新世界より　》　のタイトルが付いてます。
ジャケットには、５ページ超のマニアックな解説書も付いてます。
音楽１の成績の少年には、とても手に負えない内容のハズ。
それに、第一、書かれている日本語の漢字表記も、国語１の者にはチンプンカンプン。

そんな無謀な挑戦ですから、針を落とす度に、少年は瞬く間に熟睡の世界。　　
とても、新しい世界（！）には、辿り着けません。
それでも、メゲること無く、寝ては起きてを繰り返し、聴き続けました。
すると不思議なモノで、ドベこすボーイにも、少しづつ音楽を理解出来るように。
その内に、解説書を咀嚼出来るようになると、学校の音楽試験も苦になりません。
とうとう学科試験では、何と学年トップランク。
半年前までは、通知表・音楽１の最下位少年が、音楽試験１位のトップランナーに。
まさに１８０度の逆転なんて、そうそうあり得ない所。
更に、音楽に引きずられる様に、他の科目もレベルアップして行きました。
　　　　≪　ビリボーイから脱出した中学生のヒゲ　≫
そして一年が経ち、最後の成績表を渡される時でした。
担任のＯＮ先生が、　「　オッ！　こいつは、今年最高の昇り龍だな～　」　とみんなの前で。
成績どんビリでスタートした少年は、毎月上昇を続け、とうとうトップクラスの所まで
よじのぼった瞬間でした。
人生、どこでどう変わるかわからないものですネ。
さあ、連休明けたら映画になった　『　ビリギャル　』　でも、観に行くかな？

　　　　　　　　　
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