2000年、田園のカウンターの端にヒゲが座っている時の事です。
前年の末に退院して、やっと店に出れるようになっていました。
暫くして、カウンター横の席“虹”に、アベックがやって来ました。
明らかに、同伴出勤のペアです。
キャバ嬢は、まるでルーティンみたいに、ケイタイを右上に置いて、
その下にタバコとライターをセット(?)します。
すぐにタバコを取り出し、M・ディートリッヒばりに指に挟み、ライターで火を点けました。
なんて仕草が手慣れているのでしょう。
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天に向かって噴煙を噴き出した後、片手で携帯を開いてチェックします。
同伴の男性に気を配ることなど、みじんもありません。
男は、釣り上げられたサカナ状態で、ほったらかしにされてます。
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ちょっと間があって、田園のサービス係りが注文を聞きに行きました。
くだんのキャバ嬢は、何のためらいも無く応えました。
「 酎ハイ! レモン酎ハイとレバ刺し! 」
メニューを見ることも無く、そう言い放ったのです。
ヒゲは、わが耳を疑いました。
田園のメニューには、全く無い品々です。
馬のレバ刺しなんて、ごく特殊な店のメニューのイメージでした。
ニコヨン(死語?)の方が、明日も重労働とか云う時に、ニンニクと共に頂きましょうみたいな。
とても若い女の子が、ドラキュラみたいに、唇に血をしたたらせて口にするモノとは思われません。
しかも、飲み物がチュウハイとは。
日本酒の専門店の田園で、この注文は何だ?!
その後、キャバ嬢は悪びれる事もなく、10分置きにオシボリと灰皿の交換を要求したのです。
きっと、コレは悪い夢を見たのだと、忘れようとしたヒゲ。
しかし、次の日来た同伴のキャバ嬢も同じでした。
メニューを見ること無く!、まるで当たり前とばかり同じ注文をするのです。
当然(?)、“酎ハイとレバー刺し”は、熊本市のどの店にでも在るハズと思い込んでる様な。
この時、ヒゲは気付きました。
ヒゲも田園の店も、浦島太郎モードに居ることを。
ヒゲ太郎にとって、キャバ嬢の登場は、いわば玉手箱だったのです。
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~~~ つづく ~~~
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前年の末に退院して、やっと店に出れるようになっていました。
暫くして、カウンター横の席“虹”に、アベックがやって来ました。
明らかに、同伴出勤のペアです。
キャバ嬢は、まるでルーティンみたいに、ケイタイを右上に置いて、
その下にタバコとライターをセット(?)します。
すぐにタバコを取り出し、M・ディートリッヒばりに指に挟み、ライターで火を点けました。
なんて仕草が手慣れているのでしょう。
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天に向かって噴煙を噴き出した後、片手で携帯を開いてチェックします。
同伴の男性に気を配ることなど、みじんもありません。
男は、釣り上げられたサカナ状態で、ほったらかしにされてます。
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ちょっと間があって、田園のサービス係りが注文を聞きに行きました。
くだんのキャバ嬢は、何のためらいも無く応えました。
「 酎ハイ! レモン酎ハイとレバ刺し! 」
メニューを見ることも無く、そう言い放ったのです。
ヒゲは、わが耳を疑いました。
田園のメニューには、全く無い品々です。
馬のレバ刺しなんて、ごく特殊な店のメニューのイメージでした。
ニコヨン(死語?)の方が、明日も重労働とか云う時に、ニンニクと共に頂きましょうみたいな。
とても若い女の子が、ドラキュラみたいに、唇に血をしたたらせて口にするモノとは思われません。
しかも、飲み物がチュウハイとは。
日本酒の専門店の田園で、この注文は何だ?!
その後、キャバ嬢は悪びれる事もなく、10分置きにオシボリと灰皿の交換を要求したのです。
きっと、コレは悪い夢を見たのだと、忘れようとしたヒゲ。
しかし、次の日来た同伴のキャバ嬢も同じでした。
メニューを見ること無く!、まるで当たり前とばかり同じ注文をするのです。
当然(?)、“酎ハイとレバー刺し”は、熊本市のどの店にでも在るハズと思い込んでる様な。
この時、ヒゲは気付きました。
ヒゲも田園の店も、浦島太郎モードに居ることを。
ヒゲ太郎にとって、キャバ嬢の登場は、いわば玉手箱だったのです。
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~~~ つづく ~~~
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