田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

イントロを逃すな①

2019-04-11 15:42:30 | ヒゲの毒舌
熊本の中心街に、“ 通り町 ” と云うエリアがあります。
鶴屋百貨店も面した電車(路面)通りです。
其所には、謎の球体がローリングしています。
都会のパワースポットとも思わせるような、重そうな石が浮いてる不思議な光景。
水圧を利用しての浮遊状態でしょうか。
なかなかインスタ映えする景色が楽しい。
                
そんな様子を眺められる場所に、熊本パルコがあります。
熊本の “ ワサモン気質 ” を刺激するファッションの発信元で人気でしたが、
この程、撤退が決まって熊本県民を残念がらせてます。
           
そんなパルコの場所に、かって “ 新世界 ” と云う映画館がありました。
ヒゲが、小学生時代のことです。

土・日に、ゴロゴロしているヒゲに、父親から声がかかります。
 「 コウイチ! 映画なっと観に行こうか? 」
小学生に、選択肢があろうハズがありません。
そういう時の映画館は、ほとんど新世界でした。
入場すると、客席は暗く、2人分の連席の空きを探すのが一苦労。
何しろ、思いつき(!)で映画に行くのが父親お得意のパターン。

上映は、とっくに始まってます。
邦訳は、スクリーンの右端に縦に入ってます。
ガリ版削り文字の日本語は、とても読みにくい。 (笑)
その日の映画は、西部劇です。 物語は、もう後半でしょう。
話し合いでは折りあいがつかず、決闘で決着をつけようという場面か?
銃を手入れして、いざ!  ドンパチシーンが、小学生ヒゲにはたまらない。
やがて、撃ち合いの決着がつき、the End の字がスクリーンに表示されてお終い。
           
お客さん達はそそくさと帰りますが、そのまま居続けるヒゲ親子。
照明が灯され、明るくなった館内を、掃除のおばさんがゴミを収集して回ります。
いつまでも帰らないヒゲ親子を見て、不思議な顔をします。
そんなシラけた間が随分流れた頃、次のお客さん達が三々五々集まって来ます。
ひとしきりのざわめきが落ち着いた頃、ブザーがなり、館内は暗くなります。
ラシャ地の紅い幕が引き上げられ、上映開始です。
              
先ほどの、入館時に観た “ 話し合いで折りあいをつけるシーン ” 迄きたら、
ヒゲ親子は席を立って帰り始めます。
周りの席の客は、足をどかしながらも、けげんな顔で見送ります。
「 何で、ここで帰るんだ? 今からがクライマックスなのに! 」

                             ~~~ つづく ~~~

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コメント (2)
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