ぶらり町めぐり&御朱印

町を歩くのが好きだ。特に御朱印集めに熱中した。年齢を重ね、段々と体力が落ちてきたが、もう少し頑張りたい。

「男と女」(クロード・ルルーシュ)

2017年07月07日 10時51分00秒 | 映画
DVDで「男と女」を観る。1966年のカンヌ映画祭グランプリ受賞作品である。アカデミー賞でも外国映画賞を受賞した。当時、一世を風靡した映画である。

やはり、この映画の美しい映像が与えた影響が大きかった。「映像主義」と呼ばれたと思う。他の国でも真似され、当然ながら日本も影響を受けた。

モノクロとカラーの場面が交互に出現するが、これも映像効果を考えての選択ということではなく、単にすべてをカラーで撮影する予算がなかったかららしい。予算の制約が印象的な映像を生んだ。

屋外場面の、望遠による詩的な映像も素晴らしいが、これはカメラの音がうるさすぎて遠くから撮影するしかなかったらしい。

結局、制約が見事な映像を生み出したことになる。ケガの功名とはよくいったものだ。

ちょっと見だと、結構、雑な映画のようにも思える。メイキングをみると、ルルーシュはリハーサルを嫌ったようだ。リハーサルを重ねると「真実」から遠くなると考えていたらしい。撮影するのも一回で撮り直しはやらない。これなら、雑に見える場面があっても当然だろう。

それぞれの子を連れて、母子、父子の4人のレストランの場面は、普通の家族連れの会話を盗み撮りしているかのようだ。全然ドラマ的ではない。

男やもめがジャン・ルイ・トランティニャンで、未亡人がアヌーク・エーメ。子供が同じ寄宿舎学校に通っていることで知り合う。ストーリーは3週間の出来事だが、ルルーシュは同じ3週間で撮影したかったようだ。実際は4週間で撮影した。

最後の、男に抱擁された女が死んだ夫を脳裏に浮かべる場面が衝撃的だと批評された。

もう51年前の作品である。風俗も違ってきている。一番の違いは、タバコ! この映画では、すぐにタバコを吸う。子供の前でも平気でタバコを吸っている。今なら、受動喫煙でこの場面はカットだ。

昔は、いいと言われたものが、今では悪と言われる。高齢になると頭の切り替えができにくくなるから、こういう価値の転換はきついし、不満も起きる。

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