24日(日)。「暑さ寒さも彼岸まで」と言うけれど、昨日は涼しかったですね さて今日はどうでしょうか
ということで、わが家に来てから今日で3176日目を迎え、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で23日、中国海警局の「海警」2隻が日本の領海に侵入し、日本漁船1隻に接近しようとしたため、海上保安庁の巡視船が安全を確保し、領海外へ出るよう警告した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
中国は 何度も日本の領海に侵入して 既成事実をでっち上げようとしてるんじゃね?
昨夜、サントリーホールで東京交響楽団「第714回定期演奏会」を聴きました プログラムは①ベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55 ”英雄”」、②リヒャルト・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯 作品40」です 演奏は②のヴァイオリン・ソロ=グレブ・ニキティン、指揮=ロレンツォ・ヴィオッティです
ロレンツォ・ヴィオッティはスイス・ローザンヌ出身。2013年、22歳でカダケス国際指揮者コンクールで優勝し、15年にはザルツブルク音楽祭ネスレ・ヤング・コンダクター賞を受賞 世界的なオーケストラやオペラハウスで指揮を執る。2021年シーズンからネザーランド・フィルハーモニー管弦楽団及びオランダ国立オペラの首席指揮者を務めています
オケは12型で、左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置をとります コンマスはグレブ・ニキティンです
1曲目はベートーヴェン「交響曲第3番 変ホ長調 作品55 ”英雄”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1803年から翌04年にかけて作曲、1805年4月7日にアン・デア・ウィーン劇場で公開初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「葬送行進曲:アダージョ・アッサイ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・モルト」の4楽章からなります
ヴィオッティの指揮で第1楽章が2つの和音で開始されます 音楽の流れが良く、聴きながら曲に合わせて自然に呼吸ができます オーボエは荒絵理子が産休のためか最上峰行がトップを務めますが、このオーボエが素晴らしい また、フルートの竹山愛の演奏も冴えています 彼女は東京シティ・フィルから移って来てまだ半年にも満たないので「研究員」という立場ですが、もうすっかり首席の貫禄で演奏しています 第2楽章「葬送行進曲」では最上のオーボエが大活躍します。私はこの曲を聴くと昭和天皇崩御の日のNHKテレビ放送を思い出します 朝から晩までNHK交響楽団の演奏による英雄交響曲の「葬送行進曲」が流れていました 民放では”自粛ムード”がまん延し、公共広告機構のコマーシャルだけが流れました 今となっては懐かしい思い出です 第3楽章では、何といっても「トリオ」におけるホルン三重奏です 上間善之率いるホルン奏者が胸のすくような素晴らしい演奏を繰り広げました 第4楽章はベートーヴェンが得意とする「変奏曲」ですが、変奏の主題はバレエ音楽「プロメテウスの創造物」等でも使われていたメロディーです 様々なスタイルに変奏されますが、グレブ・ニキティン(コンマス)、服部亜矢子(第2Vn首席)、武生直子(ヴィオラ首席)、伊藤文嗣(チェロ首席)の4人の「弦楽四重奏」による変奏曲が演奏されたのにはちょっと驚きました この曲ってこういう演奏スタイルあったっけ?という感じです 少なくとも、私は初めて聴きました 楽譜通りだったのに私が知らなかっただけなのか、ヴィオッティ独特の解釈によるものなのか不明ですが、私にとっては新鮮な演奏でした
プログラム後半はR.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯 作品40」です 「ひでおの いきがい」ではなく「えいゆうの しょうがい」です この曲はリヒャルト・シュトラウス(1864-1949)が1898年に作曲、1899年3月3日にフランクフルトで作曲者の指揮により初演されました 単一楽章の作品ですが交響曲的な体裁をとっていて、第1曲「英雄」、第2曲「英雄の敵」、第3曲「英雄の伴侶」、第4曲「英雄の戦場」、第5曲「英雄の業績」、第6曲「英雄の隠遁と完成」の6曲から成ります リヒャルト・シュトラウスは当初からベートーヴェンの「英雄交響曲」を念頭に作曲にかかったようです
オケは16型に拡大し、ヴィオッティの指揮で第1曲「英雄」に入りますが、何といっても8本のホルンによる演奏は迫力があります 第2曲「英雄の敵」では竹山愛のフルートをはじめ木管群のシニカルな演奏が光ります 第3曲「英雄の伴侶」ではグレブ・ニキティンのヴァイオリン独奏が冴え渡りました 第4曲「英雄の戦場」は舞台裏のトランペットによるファンファーレで戦闘が開始されますが、この楽章では管楽器も弦楽器も打楽器もハチャメチャに戦闘シーンを描写します 作曲家と批評家の闘いのはずですが、ほとんどウクライナ戦争です 第5曲「英雄の業績」では作曲者の過去の作品が登場しますが、私はこういうところが嫌らしいと思います ヴィオッティは曲の中で「間」を長めにとっていたのが印象的でした 第6曲「英雄の隠遁と完成」では再びニキティンのソロによる抒情的な演奏が素晴らしく、フィナーレにおける金管楽器によるコラール風の音楽はスケールが大きく、英雄の生涯らしいエンディングを迎えました
満場の拍手の中、カーテンコールが繰り返されました 東響の思う壺ですがカーテンコールを写メしたのでアップします
ところで、終演後にX(旧ツイッター)をクルージングしていたら、前半のベートーヴェン「英雄交響曲」の第1楽章の途中で、2階LDブロックのお客がうめき声とともに倒れ、救急搬送されたとポストされていました 1階後方の自席では全く気がつきませんでした コンサートは何が起こるか分かりません。ご無事をお祈りします