★真夜中のひとりごと★

二児の母「たっちー」のひとりごとです。

高等学校 「公共」 教育図書(株)

2023年09月25日 | ★道をひらく
高校の「公共」の教科書の
「はじめに」の内容が
とても攻めていますのでご紹介します。
教科書会社の熱い想いが伝わってきます。


〈はじめに〉

「日々、自由になろうとすることによって、はじめて、自由でありうる。」と
第二次世界大戦直後に活躍した政治学者・丸山眞男(まるやままさお)は語った。

やりたいことを妨げられない、やりたくないことを強要されない、やりたいことをするために基本的な生活が保障される、そんな「自由」を、「人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」として、私たちは享受(きょうじゅ)している。

しかし、日本国憲法にもあるように、これらの自由は、国民の不断の努力によって保持しなければならない。

せっかく手に入れた自由も、そこから逃げ出したり、物事の判断を人任せにするなど、主体的な当事者としての「自由の行使」を怠っていると、ある日、消えてなくなってしまうかもしれない。

自由の動向を傍観し、評論することは容易だが、自由を擁護し行使することは難しい。だが、自由は「勇気ある自由の行使」の積み重ねによってのみ守られる。

自由は、思わぬ時に、思わぬことから、行使不能に陥る。それは、権力者による圧力からだけではない。2020年にはコロナウィルスの感染拡大で、突然、世界中の人々のさまざまな自由が奪われた。

天災や人災はもとより、さまざまな情報の流通・拡散、さらに風評やデマによっても、突然、自由を行使できなくなる。行使不能への流れがますます突発的に変わりやすく、不確実であいまいになっている。

このような状況下で、自由の擁護・行使・回復のすべてを、一人の力だけで行うのは、ほぼ不可能だ。

だからこそ、多様な他者との信頼関係と協働・協力を強めていかねばならない。そのためには、自分たちが主導して、身近なところから、互助・共助・公共を共創していくことが必要だ。その積み重ねの先に、よりよい「国家」「世界」「地球」が形成され、よりよい「公序」や「公助」が生まれる。

一方、これからの公共ではより多様な人々や組織が雑居し、よりさまざまな正義の主張が飛び交う。正当に自由を行使しているにもかかわらず、他人の自由を損なってしまうこともある。さまざまな食い違い、板挟み、想定外が多発する。これらへの対処を誤ると、「公共」も「信頼」も、またたく間に崩れ去ってしまう。

では、どうしたらよいのだろうか、決まった正解はない。実に難問だ。人工知能でも歯が立たない。まずは関係当事者たちが先人たちに学び、事態を観察し、思考し、熟議し、試行し、状況に応じた最適解を見いだし、不断に修正し続けていくしかない。

未知なる事態や難問に遭遇した時、勇気を奮ってそれに挑み、直ちに効果が出ずともひるまず、情熱と知恵をもって、最善を尽くし続けることが重要となる。

これこそが、これから先が読めない時代を幸せに生き抜く「生きる力」となる。
これまでの学力とは異なるが、こうした力を育むために「公共」という科目が生まれた。

この教科書で学ぶ中で、自由と公共のために挑み続ける
「勇気」と「情熱」と「知恵」を獲得してほしい。

同時に、難問に挑む他者をリスペクトし、サポートするような生徒になってくれることを、強く期待している。

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