☝ 天狗滝のてっぺん。
檜原城落城して、平山氏重の奥さんが、
天狗滝の上の綾滝で庵をむすんで、聖観音を安置して、
拝んだ場所で、僭越ながら昼をとった後、
☟ 綾滝
下山道をそれて、天狗滝のてっぺんに・・・。
日光、華厳の滝から、
一高生、失恋か、厭世になった藤村操が、
ハムレットの心境、巌頭之感をミズナラの木に刻んで、
身を投じたのは、明治36年。
巌頭之感
悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今、
五尺の小躯を以て此大をはからむとす。
ホレーショの哲學竟に何等のオーソリチィーを價するものぞ。
萬有の眞相は唯だ一言にして悉す、曰く、「不可解」。
我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。
既に巌頭に立つに及んで、胸中何等の不安あるなし。
始めて知る、大なる悲觀は大なる樂觀に一致するを。
幸い、私は失恋もなく、滝に身を投じるほど、
厭世的にはなっていなくて・・。
華厳の滝より落差はないとしても、
てっぺんに立つと、滑って落ちるのでは、と。
および腰になって、自称「野武士」があきれ、
さらに、羽うちわ持つ天狗のように、修験者に喝を入れ、
宙を舞う技など、サラサラ持ち合わせていないわけで・・。
☟ 大岳山、標高1267メートルの中腹、ここが「天狗滝」
天狗は、迷子を送り届けるという、
村民に不思議な力を与え、山の神としての隠れた特技も持つ。
藤村操、日光「華厳の滝」が「天狗の滝」の名前だったら・・・。
そんな檜原村「天狗滝」で・し・た。
この滝の下に、小ぶりの滝があって、
そこには、修験者に喝を入れている、天狗の化身?が・・・。