新・空と鷹と鉄の間に

ヒコーキ、ホークス、鉄道好きのブログです。

会津の休日~5

2016-05-05 19:52:37 | 旅行


喜多方市内へ車を走らせ、県道日中喜多方線を走り、着いたのは熱塩加納地区にある日中線記念館。
日中線は喜多方駅から熱塩駅までを結んでいた国鉄ローカル線で、1984年に廃線になりました。末期には朝夕に列車が運転されるだけで、「日中に走らない日中線」と言われていました。日中線記念館は終点の熱塩駅の駅舎を保存利用しており、日中線に関する資料が保存展示されています。
ちなみに、今話題の京都鉄道博物館に保存されているC11 64号機は、梅小路蒸気機関車館に保存される前に会津若松機関区に配置されていたので、現役時代に日中線を走っていたかもしれません。

駐車場へ向かう道にあった踏切警報機。サビつき具合と傾き具合が廃線跡に立つ踏切警報機感を醸し出しています。

旧線路敷から見た熱塩駅舎。八重桜は日中線開業の記念に植樹されたようで、70年以上の時を刻み花をつけています。

この場所には2両の車両が保存されています。こちらは除雪車のキ100型。貨車の扱いになっており、除雪をするときには後ろから蒸気機関車に押されていました。この車両の後ろにはオハフ61形客車が保存されており、いずれの車両も車内に入ることができます。とくに除雪車の車内に入ることができるのは非常に珍しく、除雪車の構造や機器がじっくり見学することができます。
日中線記念館を見ている間に雨も降り始めました。雨を避けるように車に戻ります。熱塩加納を後にして国道121号から国道459号に入り、裏磐梯を経由して猪苗代へ向かいます。

途中、会津盆地を見渡せる場所がありました。道路拡張の際に杉の木を伐採したところ景色が開けたそうです。国道459号を登り裏磐梯へでますが、雨模様で磐梯山もあまり見えなかったので、通過するだけにして、猪苗代町へ。町のスーパーで本日の食材を買ってから宿へと戻りました。猪苗代に降りてくると不思議なことに晴れていました。山の天気は変わりやすいです。

部屋に戻り荷物を置いてからホテルの周囲を散策。ホテルの前は一面の菜の花畑になっていました。夕日と磐梯山の雄姿が菜の花畑を彩っていました。


会津の休日~4

2016-05-05 08:40:51 | 鉄道

一ノ戸川橋梁に着いたのは11時40分ごろ。ちょうどいいところに空き地があり、何台か車が止まっていたので、そこに車を停めさせてもらって、撮影位置を探ります。自分なりに納得する絵が撮れそうな場所を見つけてから、一旦車に戻り時間まで待機します。その間に持参したおにぎりで昼食。昼食後しばらく車の中で休憩しました。その間にも続々と車に乗った撮り鉄がやってきて、辺りに駐車する車が増えてきました。12時40分には山都駅にSLばんえつ物語が到着するので、12時30分ごろに車を出て撮影場所で待機します。
やがて遠くからSLの汽笛が聞こえ、列車が山都駅に到着したことを知らせてくれます。列車は10分の停車時間の後に姿を現すはずです。発車時刻になると汽笛が鳴り響き、しばらくするとSLの力強いドラフト音が辺りに響きます。カメラを構えて待ちます。

一ノ戸川橋梁に躍り出たC57 180号機牽引のSLばんえつ物語。列車を追いかけながらシャッターを切ります。煙突から出る煙は白い煙。背後の雲とかぶってしまいあまり迫力がありません。

橋梁を渡り、背景が緑になると煙も確認できるようになります。列車が去っていくまでシャッターを押していました。列車が去ると蜘蛛の子を散らすように撮り鉄が車に乗って去って行きます。こちらは橋梁の観察といきましょう。

一ノ戸川橋梁は16支間の橋梁で、7連目の橋桁が上路式ボルチモアトラス桁で、残り15連がプレートガーター橋となっています。建設は1908年で開通は1910年です。このボルチモアトラスは平行弦トラスで、圧縮力の加わる斜材の歪みを防ぐために載荷弦側に副材を配置する形です。この橋梁は上路式なので、上弦に副材を配置しています。単純で強度もあることから、この時期の長大支間橋梁に使われた形式です。しかし現存しているのは現役橋梁で4本、廃線橋梁の中央線立場川橋梁(長野県富士見町)を入れても5本という貴重な橋梁です。

橋を支える橋脚は山都町宮古などで産出された花崗岩を積み上げたもので、下から見るとかなりの迫力があります。

反対側に回ってみると、トラス部材が桁に対して張り出しており、また表情が変わって見えます。こちら側から列車を撮るのも味があるかもしれません。

この一ノ戸川橋梁を渡る列車の音は「うつくしまの音の三十景」に認定されており、川のせせらぎを消してしまう列車の通過音として時を告げています。SLばんえつ物語の撮影ポイントですが、地元にも親しまれている橋梁でもあります。
一ノ戸川橋梁の観察を終えて車に戻り、県道16号線を喜多方市内へと走らせます。