2012選抜高校野球 第1日

大阪桐蔭、好投手対決制す＝浦和学院、三重も２回戦へ―選抜高校野球(時事通信) - goo ニュース

　今日から球春を告げる選抜高校野球が始まり、初日から大阪桐蔭－花巻東と
いう好カードが見られる。

　何といっても大阪桐蔭・藤浪と花巻東・大谷という長身投手同士の対決だけで
なく援護する打線が両校とも活発で見どころが多い試合だが、強打を誇る桐蔭
打線に対し足を絡めた機動力で どこまで対抗できるか？

　第1試合は東海大会準優勝の三重が中国大会優勝の鳥取城北との対戦。

　甲子園での実績では断然 三重が上で、特に69年に優勝した時は開幕戦で
勝っているので縁起がいいクジを引いた形だ。

　城北は09年夏の出場時に牽制アウトや走塁ミスで自滅しただけに今回も普段
通りの力を発揮できるかどうかで勝敗のカギになるだろう。

　第2試合は北信越王者の敦賀気比と関東王者の浦和学院の対決で地区の
レベルからいけば浦和有利と言いたいところだが、最近の浦和が甲子園5連敗
中と勝ち運に恵まれてないのに対し敦賀は一昨年春に開幕戦で天理に逆転
勝ちし、同じ埼玉勢の花咲徳栄にも勝ってベスト8入りしている。

　実力的には浦和が上だと思うので甲子園での連敗中というプレッシャー克服が
勝敗を分ける可能性が高い。

　第1試合：三重 6－5 鳥取城北

　1回に三重は1番がショートのエラーで出塁しバント空振りで刺された直後に
3ベースで出塁した2番を3番が犠牲フライで返して先制すると、逆転された直後
の3回にも死球で出た9番をバントなどで2アウト3塁とし3番がピッチャーの
グラブを弾く内野安打で追い付く。

　城北は1回に1アウトから連続四球で作ったチャンスを潰したが3回に1アウト
から死球とバントヒットで1・2塁とチャンスを広げ3番がライト線に打ち返して
追いつくと、なおも2・3塁から4番の3塁ゴロで一旦 逆転。

　5回に三重が1番と3番の2ベースで勝ち越すと城北も7回にエラーで出た7番を
バントで送り9番のヒットと犠牲フライで3－3のまま8回を迎える。

　城北が2アウトから2ベースで出たランナーを返せなかったのに対し、三重は
3番のヒットからバントなどで2アウト3塁として6番のショートゴロエラーで勝ち
越すと7・8番の短長打と振り逃げで6－3とリードを広げる。

　城北も9回に7番が歩き2アウト後1番の2ランで1点差に追い上げ、更に四球と
ヒットで同点のチャンスを迎えるが4番が三振で万事休す。

　三重は長身の3番・岡本が3打数3安打で7回までの3点を全て叩き出し、8回の
勝ち越しランナーにもなった活躍が大きかった。

　城北としては逆転した直後の3回に2アウト3塁で3番の打球をピッチャーが弾い
て追いつかれたのだが取れない事もない打球だったし8回の勝ち越し点もエラー
での得点で、更に振り逃げなどで2点を追加されたのだが1点で止めていれば・・・
という気がしないでもない。

　7回に城北が追いついたのも三重のエラーからと月並みながらミスが勝敗を
分けた形だ。

　第2試合： 敦賀気比 2－10 浦和学院

　1回に浦和は1アウトから内野安打と四死球で作った1アウト満塁を潰した
ものの2回に1アウトから8番が歩き9番のバントを3塁手が悪送球で2・3塁から
1番の犠牲フライで先制すると2番が歩き3番の2ベースで3点を先行、3回にも
ヒットで出た5番をバントで送り8番のタイムリーで4－0とリードを広げる。

　敦賀も1回に四球で出た3番が盗塁するなど佐藤を揺さぶり3回に8番の
3ベースと9番の犠牲フライで1点を返す。

　4回に浦和が3ベースで出た9番を1番の犠牲フライで返して3点差に広げると
敦賀も5回に9番と1番の長短打でチャンスを作り2番のショートゴロで1点を返
して再び2点差に追い上げる。

　6回以降立ち直った敦賀の山本から追加点を奪えなかった浦和は8回にピッ
チャー強襲で山本を降板させるが2番手の岸本が踏ん張る。

　しかし9回に連続四球でチャンスを作ると2ベース1本を含む4安打を集中して
打者一巡の猛攻で一挙に5点を挙げて敦賀を突き放し04年夏以来の初戦を
突破した。

　1回の1アウト満塁で得点できなかったのを見て‘またしても’と思ったが2回に
相手のエラー絡みで先制した後に2アウト1・2塁から3番を打つ佐藤が放った
2点タイムリー2ベースが明暗を分けた形だ。

　1点で止まっていたら敦賀の機動力も生きたし浦和としても甲子園連敗中の
プレッシャーがかかる可能性も高かった。

　敦賀にしてみると山本が出した6四死球が攻守のリズムを崩したとも言える。

　第3試合：大阪桐蔭 10－2 花巻東

　共に1回は両チームとも先頭打者を歩かせる不安定が立ち上がり。
　2回に花巻は4番・大谷のHRで先制すると4回にも大谷が歩いて1アウト後6番
の内野安打と7番のタイムリーで2－0とリードを広げたのに対し、桐蔭は3回に
四球とヒットでノーアウト1・2塁でバントを失敗すると4回は併殺などでチャンス
を潰し完全な花巻ペース。

　ところが6回に先頭の3番が歩いた後4番が深く守ったレフト前に落として
チャンスを広げバントで2・3塁から2塁ゴロで1点返すと7番が歩き8番が左中
間に落とす2ベースで3－2と逆転。

　更に7回に1番が2ベースで出塁し1アウト3塁から3番がスクイズ失敗などで
三振したものの4番が2ランを放ち5－2と突き放すと、9回にも4つの四死球に
エラーを絡めて4点を挙げて勝負を決めた。

　花巻にとって痛かったのは4回に2点目を挙げたタイムリーで1塁ランナーが
3塁で刺されたのと大谷が いずれもランナーなしで打席を迎えた事。
　そして大阪桐蔭に与えた11の四死球だろう。

　4回まで完全に花巻ペースだっただけに5回が3人で終わり直後の6回に逆転
されているので、もう1・2点取れていれば流れを手放さずに済んだかもしれない。

　故障明けの大谷のスタミナを考慮して終盤勝負にかけた桐蔭の狙いが当たった
一戦だった。