円谷作品の中心が金城哲夫から上原正三に

 怪奇大作戦19話・こうもり男はメインライターである上原正三の
怪奇大作戦におけるラストワークで、円谷作品のメインがウルトラ
の金城哲夫から上原正三に変わった事になるのではと思う。

 金城哲夫の作風は大らかなもので登場人物もいい人が多く‘組織
というのは、こうあるべし’的な理想的な形だったのだが上原正三
作品はリアルに拘っているので、ウルトラセブンと帰ってきたウル
トラマンを比べると防衛チームの上層部が藤田進や佐原健二ら同じ
俳優が演じているにも拘らず全く違うキャラになっているのが象徴
的だろう。

 その理由の1つに円谷のプロデューサーがセブンの終盤からリア
ルに拘る橋本洋二に変わった事があるのではないかと思うし、その
事がメインライターの交代に繋がったと思えるのだ。

 おりしもセブンの途中からメインライターの金城哲夫がマイティ
ジャックに携わり始めた事で金城の後輩である上原正三や市川森一
達が中心になってセブンの脚本を書き始めたわけだが、リアルに拘
る橋本路線に上原正三達は適応したのに対し金城哲夫は適応できな
かったようだ。

 怪奇大作戦では金城哲夫-円谷一コンビによる人食い蛾が1話の
予定だったのが撮り直しなどで間に合わずに、急遽 上原正三と飯島
敏宏が組んだ壁抜け男が1話になったのが象徴的で3話の白い顔も
金城哲夫のプロットを上原正三が修正した形になっており ここら辺
りから主役交代になったのではないか。

 そして怪奇大作戦終了後の69年3月に金城哲夫は円谷プロを辞
めて沖縄に帰ったのに対し、上原正三はフリーになって円谷作品だ
けでなく柔道一直線や仮面ライダーをはじめとしたヒーロー作品の
メインライターになっていくわけで怪奇大作戦が2人のターニング
ポイントになった感が強い。

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