ミラーマン19話・危機一髪SGMは これまでのヒーロー作品では珍しい試みを
している。
それはミラーマン大全でも‘シンクロナイズド・サスペンス’と呼ばれたドラマが
放映している時間帯のリアルタイムで進行するというスタイルで、西部劇の名作
・真昼の決闘が有名だ。
弾道ミサイルがSGM本部のある御手洗邸に着弾するか どうかというサスペン
スをランニングタイムとドラマの時間が一致するというサスペンスまで取り込んで
いるので迫力満点である。
以前TBSのムー一族などで生放送のドラマをやっていて、これは失敗が許され
ないわけで緊迫感があったが それに勝るとも劣らない感じだ。
基本的にウルトラなどのドラマは数日がかりの世界を1話に まとめるわけで
ランニングタイムと同じ23分ほどの中でのドラマという事自体が珍しいし、考
えてみれば今回のような弾道ミサイルが飛来するという設定が最も使いやすい
だろう。
宇宙空間から弾道ミサイルが発射されたのが19:02:02で54秒後に監視所
から地球に接近する飛行物体をキャッチしたとSGMに連絡が入り、4分7秒後
にSGMのレーダーがミサイルを捕捉。
そこでSGMのコンピューターで着弾地点がSGM本部で到達予定時間が
19:25:58、つまり20分足らずで着弾するというのだから恐るべきスピードだ。
迎撃用ミサイルが発射されたのが2分23秒後で13分以内に弾道ミサイルに
命中するものの弾道ミサイルは無傷だったという事でSGMに退去命令が出され
るのだが、5分半程しか猶予がないという現実的には慌しすぎる避難だろう。
OA当時は小学生だっただけに異常なテンションで進む このEPは印象深かった
のだが、再放送で見ても今ひとつピンと来ないというのが このスタイルの弱点
かもしれない。
いろいろと制約は多いだろうが こういう作品が現在でも作れないものかと
思ってしまうぐらい意外に面白く、これもウルトラでは作りづらいEPなので ウル
トラとの差別化を計る目的は達せられたと思う。