目先の1点を嫌がる事なかれ

 今年のプロ野球日本シリーズではホークスがベイスターズ相手に
4勝2敗で勝って日本一になったのだが、このシリーズの優勝を決
めたG6のベイスターズのミスに関する論調に少し異議がある。

 この試合は3-3で迎えた11回に2アウト1・2塁から川島慶三が
打ったライト前ヒットでホームを狙った2塁ランナーの中村晃を刺
すべく送球した梶谷隆幸の送球がアンツーカーの切れ目で大きく跳
ねて逸れたためサヨナラとなったのだが、その前に松田宣浩の3塁
ベース近くに飛んだゴロを宮崎敏郎がベースを踏んで投げた1塁へ
の送球が少し逸れホセ・ロペスの1塁ベースタッチが遅れたミスが
挙げられた。

 これは弁解のしようがないと思うのだが3-1で迎えた8回1アウ
ト3塁で‘柳田悠岐の投ゴロを取った砂田毅樹が判断を誤って1点を
献上したのが響いた’という論調には違和感がある。

 というのも2点リードのベイスターズは1点はOKという通常の
守備隊形を取っているわけだから1点やって2アウトランナーなし
という形になったのは悪い事ではなく、むしろ絶対にやってはいけ
ないのは1点取られて打者走者も残る事で大舞台での経験が浅いベ
イスターズ内野陣にとってプレー選択はシンプルな方がいい。

 結果的に1点差になった事で9回1アウト後に内川聖一がクロー
ザー山崎康晃から放った同点HRにつながる事になるのだが、正直
言ってこれは打った内川が凄いと思うのだ。

 MLB中継を見ているとMLBでは内野ゴロ1点のシチュエーショ
ンの場合は1点リードや勝ち越しを許すケースでなければ普通通り
の守備位置で守り、よほど投手正面のゴロでなければアウトカウン
トを増やす事を優先してバックホームはしないので解説をしている
プロ野球OBの方々は‘なんでバックホームしない’と不満げなコメ
ントを度々耳にした。

 どうしても日本では同じ勝ちでも‘1点でも少ない失点で’という
思想が根底に流れているのに対し、先に21点取った方が勝ちという
思想がベースのMLBでは‘何点取られても勝てばいい’という考えの
違いからのものだろう。

 ただ高校野球が打撃レベルの向上から点の取り合いが主流になっ
ている昨今の野球界で、ランナーを返してもアウトカウントを増や
すという考えを持たないと‘目先の1点を嫌がり大量失点’という
最悪の結果になる可能性が高くなっている事を忘れてはいけない。

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