40年前に中島成雄が世界奪取した時のウソ報道

 1ヶ月ほど前‘アマチュアスポーツ報道は苦難を乗り越えた美談に
偏っていいのか’という記事が掲載されていた。

 アマチュアスポーツの報道では読者が合理的な練習で強くなって
もファンが感動しないからという事で厳しい練習や苦難を乗り越え
た的な報道が多くを占めるのだがプロの競技での報道も似たような
もので、今から40年前の1月3日に行われたWBC:Jフライ級タイト
ルマッチで中島成雄が番狂わせでタイトルを奪取した試合の翌日に
‘中島10㌔減量を乗り越えてのタイトル奪取’‘水腹だけで1週間’など
の見出しが翌日のスポーツ紙に踊った。

 急造挑戦者だった中島はフライ級での厳しい減量を強いられてい
るのに、Jフライ級に落とさないといけなかったので10㌔以上の減
量をしなければいけない状態だったが実はこの見出しはウソ。

 事の発端は試合後に‘王者のパンチが効いて厳しい場面はあった
けど水腹だけで減量した時の事を考えれば耐えられた’という中島
のコメントだった。

 実は中島は11月に行われた試合後に11月29日までにJフライ級の
体重を作り試合と同じ日の食事をし15Rのスパーリングをしたの
だが水腹だけで1週間というのはこの時にやった事で、以後は最低
でも1日2食は食べていたとトレーナーを務めたジョー小泉氏は語っ
ていた。

 しかも氏の著書・ボクシング讃歌で中島のトレーニング日誌が
掲載されていたのだが、練習終了後の体重は12月の時点で多くて
52㌔台だから落とし幅は3㌔ほどで10㌔減量などしていない。

 それを‘地獄の10㌔減量’や‘水腹だけで1週間’というのはスポーツ
紙が真実の報道よりも売れる報道の方がいいし、読者が喜ぶという
発想からの見出しになるわけで今なら炎上モノだろう。

 にも拘わらず今でもスポーツ紙など既存のメディアは、そちらの
方向での報道に拘っているわけだから売れるわけはないしコアな読
者からは見放されるのは当然ではないだろうか。

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