ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
‘あしたのジョー’ワールドは遠くに なりにけり
早いもので11月26日に行われたW世界戦から2週間が経つが、2つの世界戦
では下の階級から上げた長谷川穂積と粟生隆寛が共に勝って2階級制覇を達成
したのを見て‘あしたのジョー的な考えは古くなったな’と感じたのだった。
あしたのジョーで特筆されたのが減量。
矢吹丈の宿命のライバル・力石徹は丈と戦うためにフェザー級から15㌔程
落としてバンタム級で戦い命を落としたし、丈も成長期に入って減量が厳しく
なり最後は下剤を飲んでサウナに入るという荒業まで使ってバンタムに落とした。
つまり過酷な減量はボクサーの必須とされたし、劇中で過酷な減量の実例として
ファイティング原田の例が紹介され原田氏自体も過酷な減量を肯定するような事を
常々言っていた。
しかし先日のW世界戦では特に長谷川穂積はSバンタムはおろか、2階級アップ
のフェザー級に上げての奪取だから かなり楽になったはずである。
そもそもボクサーにとって減量をする理由の1つが下の階級に落とす事によって
体格やパワーのアドバンテージを生かせるというメリットがあったが、最近はパワー
よりスピードが重視される傾向が強いので こうなると下から上げた方がスピード
ではアドバンテージがあるという事になる。
実際に世界ではフライ級からスタートして6階級(実質8階級)制覇しているフィリ
ピン人のマニー・パッキャオは11月13日にSウエルター級でリミットを下回る体重で
戦い、自分より重いマルガリートを一方的に打ちまくって大差の判定勝ちしたのだ。
昔の感覚でいえばフライ級でスタートしたボクサーがSウエルターで戦うなど狂気
の沙汰だったのだから、時代も変わったものである。
おりしも某ボクシング雑誌ではジョー小泉氏がコラムで‘クロスカウンターの減少’
を扱っていた。
つまり最近の世界戦などでクロスカウンターが激減しているのはジャブの
スピードが上がり、クロスのタイミングが掴みづらくなっているという旨の事を記して
いるのだ。
これもボクシングがスピード主体になってきた一例だろう。
あしたのジョーは所詮は作り話の世界。
梶原一騎ワールドを真に受ける必要はないし昭和の常識で描かれた物に過ぎ
ないのが実情だ。
むしろ選手生命を脅かす過酷な減量が これで撲滅される第一歩に
なればいいと思うのだ。
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花開いたのはミドル級でだもんね 無限川坂戦は
面白かったよ
そうですよね。
浜田剛史も最初はフェザー級あたりでしたからね。
大和田正春がJライト上がりとは知りませんでした。
現代のマニー・パッキアオがまさしくデュランと同じ足跡を辿っていると思います。
ただ、個人的にはかつてのアントニオ・セルバンテス、ホセ・ナポレス、カルロス・モンソン、ボブ・フォスターらが、それぞれの階級で圧倒的な強さ・存在感を示していた時代のほうが、「チャンピオンの存在の重み」をより実感出来ていたように思います。
「あしたのジョー」の劇中の世界観も、この時代ならではのモノと言えるのでしょうね。
デュランがフェザー級スタートというのは聞いた事がありましたが(対マルセル戦に勝利)バンタムで戦っていたとは知りませんでした。
たしかにデュランも20世紀のパッキャオのようなものかもしれませんね。
あしたのジョーの時代は11階級でしたから、今より
ウェートの壁は厚かったでしょうね。