先週の土曜日9月16日にBS-TBSでOAされた諸説ありでは東京
五輪で金メダルを取った女子バレーの大松博文監督を取り上げて
いたのだが、コメンテーターが吉井妙子氏だった事もあって通常
の大松ジャパンの分析とは切り口が違うなと思っていたら案の定。
その中で回転レシーブで世界を制したのではなく‘木の葉落し’
といわれるサーブの方が効果的だったなどという話が出てきたの
だが、何より嬉しかったのは00年5月に発売されたNumber PL
USの20世紀スポーツ最強伝説・ニッポンの挑戦百年戦記で吉井
氏が書いたバレーボールの最強チーム構築理論が流用されていた
のだ。
この中でバレーボールで金メダルを取った大松博文や松平康隆
に山田重雄という3人の監督の話が載っているのだが、諸説あり
でも大松ジャパンの全身反応時間が男子よりも反応がよかったと
いう話が出ていた。
‘根性バレー’と一括りにされていた大松ジャパンが、いかに合
理的なトレーニングを積んでいたのかが分かる話が初めてTVで
公開されたし、大松監督は練習中にも水分補給をしっかりさせた
り休日には選手達を映画館や喫茶店に連れて行ったりしていたと
いう話なども紹介されており単なるスパルタではなかったのが分
かる。
そういえば長嶋茂雄を大学時代に鍛えた砂押那信監督は暗くな
るとボールに石灰をまぶして打つ‘月夜の猛ノック’といわれる特
訓が有名でコチラも根性練習のように思われるが、実際にはMLB
流の練習をさせていただけでなくジョー・ディマジオやヨギ・ベ
ラにミッキー・マントルらのプレーを研究しており特に長嶋には
ディマジオの分解写真を見せて意識させたとの事。
ところが日本のメディアはそういった面は一切無視して根性練習
の部分やスパルタの部分を強調しまくるわけで、バカな指導者がこ
れに感化され理不尽なパワハラや暴力的な指導が蔓延るという事態
を引き起こしている。
最近あらゆる競技でパワハラ問題が噴出しているのを見ると、
こういった指導者達はパワハラなくして選手の成長なしと勘違い
している者がいかに多いかというのを実感するのでメディアの責
任は重いのだが逆にメディアの方が‘ど根性’などと言って煽り
立てるので始末に負えない。