いろいろ言われているWBSSだが

 
 いささか旧聞になるがWBSSのバンタム級決勝戦、井上尚弥ー
ノニト・ドネア戦が11月7日に さいたまスーパーアリーナで行わ
れる事が発表された。
 
 WBSSは各階級の強豪選手達が揃ってトーナメント戦を行うと
いう画期的なイベントで今や4団体の王者だけでなく、スーパー
や暫定王者など‘世界王者’を名乗る選手が林立しており本当に誰
が強いのか分からない時代に誰が一番強いかというのを分かりや
すくするファンにとって嬉しいもの。
 
 そこで井上が昨年5月にWBA王者になってから参戦したのだが
WBC王者以外が参戦するわけだから、大いに盛り上がると思わ
れたし昨年10月に横浜アリーナでの1回戦では元WBA王者ファ
ン・カルロス・パヤノを1Rで切って捨て準決勝に進んでいた。
 
 ところが3月下旬から4月上旬までに行われるといわれていた準
決勝のエマニュエル・ロドリゲス戦が、実に5月まで延びるとは思
わなかったし決勝もいつ行われるのかと大いに不安がある中で何
とか決まったのだった。
 
 WBSS自体が実は資金難が噂されており特に軽量級のバンタム
は資金を用意するのに難儀しているようで、実際に準決勝などは
日本とプエルトリコの対戦なのにスコットランドで行われるなど
不可解な面が多かった。
 
 さすがに決勝は日本とフィリピンの対戦だから日本で行われる
というのが順当な形になっているわけで、とりあえず決勝まで行
われる事が決まり我々ファンもホッとしている。
 
 ただし井上がバンタムに上げて昨年から3試合しか行ってない
のに既に1年3ヶ月経っており、その間に4Rしか戦ってないのだ
からWBSS参戦は時間のムダだったという意見もあるのだが井上
ほどの強さだと他団体の王者が対戦を受けなかった可能性も高い。
 
 実際にファン・カルロス・パヤノやエマニュエル・ロドリゲス
にノニト・ドネアらと井上が戦おうと思ったら通常のルートだと
難航は必至で、WBSSに参戦しているからこそ対戦が実現したと
思うので何事もいい事ばかりではないという典型的な例だろう。
 
 決勝の対戦相手のドネアは7年前に対戦を熱望していた西岡利
晃を倒しているなど実績は十分で、古い話ではあるが73年1月に
大場政夫に挑戦したチャチャイ・チオノイのような雰囲気がある
ので侮れない。
 
 決して評判がよくないWBSSシリーズだが、今回だけはこのイ
ベントに感謝するべきだろう。
 
 
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 秋雨前線の雨... ‘悪夢’を見せ... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。