名城信男、返り咲きならず引退に思う

名城、返り咲き成らず=小差判定負け、引退表明―WBA・Sフライ級(時事通信) - goo ニュース

 今日 大阪住吉スポーツセンターで行われたWBA:Sフライ級タイトルマッチで
王者のテーバリット・ゴーキャットジムに挑戦した元王者の名城信男は、終盤
猛攻を仕掛けたものの115-113、115-114、114-114の0-2判定負け
し3度目の
返り咲きに失敗し試合後に引退を表明した。

 残念ながらTV中継がないためネットの速報を見ていたのだが9Rぐらいから
攻勢に
出て圧倒したものの、前半の失点が挽回できずに僅差の判定負けという
結果だった
ようだ。

 テーバリットは超一流ではないが清水智信をTKOで下すなどパワーは見る
べきものが
あり‘突進力の衰えが見られる名城は厳しいのでは’と予想していた
し、名城の
スタイルが少なくとも際どい判定勝負になったら勝てないタイプなので
仮に勝った
としても防衛ロードは容易ではないと思っていた。

 実際に9R以降テーバリットが失速させたのも前半からプレッシャーをかけて
戦っていたからかもしれないし後半の爆発力は素晴らしいものがあったようだが、
残念ながら2Rから7Rまでは確実に取られているのだからダウンがない限りは
よくて
引き分けだった。

 名城のスタイルは前進しながらプレッシャーをかけ右ストレートや左フックを
叩き込む反面、ジャブを含めた手数が少なくラウンドマストシステムでは採点上
不利を被りやすい。

 実際ウーゴ・カサレスとのリターンマッチでタイトルを奪われた試合やトマス・
ロハスやソーンビチャイ相手に返り咲きを阻まれた試合でも前進しながらプレッ
シャーは かけているが手数が少なく、相手は頻繁にジャブを突きながら戦うため
ダメージは被らなくてもクリーンヒットを許しているという状況の試合ばかり。

 これでは前記したように倒さないと勝てないわけだが相手も名城の強打は熟知
しているのでビッグパンチのヒットは許さないから、単発ヒットしても軽いパンチを
数多く被弾しているという事から採点上は不利になる。

 思えば06年にマルティン・カスティーヨの右目じりを右ストレートで切り裂いて
辰吉丈一郎と並ぶ8戦目での世界タイトル奪取に成功したが、それまでに国内
の強豪
相手に3連勝とはいえ辰吉が対戦したアブラハム・トーレスのような老獪
な世界の強豪との
手合わせをしてなかったため豊富なキャリアを持つ相手から
ごまかされるという
展開での負けというのが目立つ感じだった。

 日本では一旦世界王者になると試合数が激減するため世界タイトル挑戦前に
本来なら あらゆる相手と手合わせしてボクシングの幅を広げる必要があるの
だが、
名城陣営は それを無視して最短キャリア奪取に拘り8戦目の戴冠は果
たしたまで
よかったものの以後は世界戦で強豪に勝ったのはカスティーヨのみ
というのも
竜頭蛇尾的なものがある。

 8戦目で世界を取れるだけの実力があったのだから‘取る事’より‘取ってから
どうするか’という事を考慮に入れて海外のあらゆる強豪と対戦してキャリアを
積んでおけばロハスやソーンビチャイには勝てたのではと思ってしまう。 

 本人が望んだので仕方ないかもしれないが才能がある選手を何とかの一つ
覚え
のように最短キャリア世界奪取ばかりに邁進せず‘タイトルを取った後どう
するか’
まで考えてキャリアを積ませないといけない事が名城の姿から証明され
たのでは
ないかと思う。

 最短キャリア世界奪取と引き換えに長期政権に失敗したというのは本当に
もったいない話だった。

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