メイウェザー王座防衛=49戦全勝、改めて引退宣言―ボクシング
今日ラスベガスのMGMグランドガーデンで行われたWBCウエルター
級タイトルマッチで王者のフロイド・メイウェザーはWBAウエルター
級暫定王者のアンドレ・ベルトに大差の判定勝ちで防衛に成功し、
試合前から公言していた‘この試合がラストマッチ’という言葉
通りに試合後引退表明をしたのだった。
試合自体は‘予定調和’という言葉がピッタリと嵌るぐらい
スピードで翻弄しながら攻め込むベルトのパンチを鉄壁の防御
で完封し、逆にジャブからアッパーを的確に決めて何度かグラ
つかせるなどしたものの試合前に‘今日の試合はファンのため
に行う’と言ったものの倒す気は更々ないような内容に終始し
たような内容だった。
メイウェザーが記録的に拘ったのは元世界ヘビー級王者のロッ
キー・マルシアノが樹立した49戦全勝というもので、今回が奇しく
も49戦目だった事からマルシアノ同様引退という道を選出した
ようだ。
ただしマルシアノはメイウェザーとは対極に位置するスタイル
だったし49勝中43KO勝ちというレコードが示すように無類のタフ
ネスと破壊的な強打で相手を圧倒してのボクシングはファンを
魅了させたのに対し、メイウェザーは26KOで屈指のディフェンス
力をKOに結びつけるテクニックを持ちながら絶対に自分が打たれ
ない事に汲々とするスタイルは賞賛を浴びながらも同時に同じく
ブーイングを浴びていたのだ。
‘ファンのため’と公言して臨んだラストファイトも何度もダメ
ージを与えながら、倒さずに相手を翻弄するだけで終わったのを
見るとメイウェザーらしいというべきか。
メイウェザーのようなボクサーは2度と出ないだろうと言われ、
実際同意はするものの ここまで防御に徹するボクサーを見たい
と思わないのも実情だ。