山中 壮絶ダウン応酬!判定で10連続防衛 国内歴代3位タイ
京都の島津アリーナで行われたWBCバンタム級タイトルマッチは
王者の山中慎介が3位で元WBA:Sフライ級王者のリボリオ・ソリスに
3-0の判定勝ちし10度目の防衛に成功した。
挑戦者のソリスは3年前の5月に河野公平からダウン応酬の末に
タイトルを奪うなど日本人相手に連勝しているし、KO負けが1度も
ないので山中の得意の左が いつ捉えるかというのが最大の注目
点で試合を迎えた。
1Rから山中の右が意外にヒットしてスタートすると2Rには右で
ダウンを奪うなど場内に楽勝ムードが流れ始めた3Rにソリスの
右がヒットして山中がダウン、すぐに立ち上がって反撃しようと
したところに再び右をカウンターで浴びて2度目のダウンを喫
した。
何とか終了ゴングに逃げ込んだ山中は4R以降 左ストレートが
的確にヒットし始めたのでペースを再び掌握し、9Rにはソリスが
バランスを崩したところにパンチがヒットして2度目のダウンを
奪うなど優勢に試合を進める。
4R以降のソリスはラウンドの立ち上がりこそ鋭い右ストレートを
振るって突っ込んで来るものの、山中は冷静にいなして距離を取り
左ストレートをボディに集めてポイントをピックアップして行くと
最終Rには左を顔面に直撃させて鼻から出血させるなどダウンした
3R以外は危なげなく抑えての完勝でジャッジが3者とも117-107と
いうのも妥当な判定だろう。
3年前の12月にオーバーウェートでタイトルを剥奪されたという
事からソリスに関しての評価は低いものだったが階級を上げて
減量苦から解放されたからかパンチも力強くスピードもあったし、
前足を常に山中よりも外に置くポジショニングも絶妙で山中の左
ストレートを芯から外し右ストレートを効果的に使える距離を支
配する形になっていた。
更に山中にとっては昨年9月のアンセルモ・モレノ戦でテンショ
ンを上げた直後に決して評価の高くない相手という事でモチベー
ション的にも難しい試合だったわけで、だからこそ2Rにダウンを
奪って楽勝ムードの中で不覚のダウンを喫する事になる。
それでも4R以降は効かないまでも左ストレートを的確にヒット
させてポイントをピックアップしての勝利だけに大いに価値は
あるわけで、何とか次は他の団体の王者あたりと統一戦を行って
欲しいものだ。