渡部暁斗ドイツ勢の牙城を崩しW杯総合優勝達成

渡部暁、初の総合優勝=日本勢23季ぶり2人目―W杯複合

 日本時間の昨日から今日未明にクリンゲンタールで行われたノル
ディック複合の個人第20戦で、日本の渡部暁斗は前半のジャンプで
トップに立ち後半のクロスカントリーで逆転され3位になったものの
総合2位のヤン・シュミットが4位だったためポイント差が212にな
り複合では荻原健司以来のW杯総合優勝を決めた。

 今シーズンの渡部は開幕から6勝を挙げるなど好調で平昌五輪前に
白馬で行われたW杯の試合前練習で転倒し、肋骨骨折した影響で五輪
では個人NHの銀メダル1個に終わったのだが総合優勝で溜飲を下げた
形だろう。

 複合という競技は瞬発系のジャンプと持久系のクロスカントリーと
いう相反する筋肉を使うワケで両方のバランスが大事になるのだが、
今シーズンはジャンプに力点を置いた強化法で臨み総合トップを走っ
ていた。

 基本的に渡部暁斗はクロスカントリーが強い選手だったためジャン
プで好位置に付ける事ができれば十分勝てるタイプだったのが、ジャ
ンプで大差を付ける戦い方でポイントを積み重ねていたものの平昌
五輪前のケガの影響と五輪にピークを合わせたドイツ勢の前に目標
としていた金メダルを逃す事になってしまった。

 ただ荻原健司も言っていたがキャリアを重ねるとクロスカントリー
は駆け引きなどが巧くなるのに対しジャンプが飛べづらくなるので、
実際に荻原もキャリアの後半ではクロスカントリーで順位を上げる
スタイルになっていたのを思い出す。

 だからジャンプを強化した結果シーズンの前半はジャンプで大量の
リードを奪い逃げ切る戦い方ができたわけで、このスタイルが決して
間違いではなかっただろう。

 むしろ五輪で金を取れなかったのは五輪前の肋骨骨折の影響と層の
厚いドイツ勢の連携という渡部1人ではコントロールできない要素が
絡んだという事になるわけで、それよりも荻原健司をサポートした河
野孝典のようなというNo2選手がいない中で最近無敵を誇っていたド
イツ勢の牙城を崩しての総合優勝の方がよっぽど価値がある。

 以前から記しているように冬季競技の世界では五輪の金メダリスト
よりW杯の総合王者の方が価値があるわけだから、五輪で金メダルを
取れなかったといってW杯総合優勝の価値が下がるわけではないし大
いに取り上げていいだろう。

 30歳で迎える来シーズンはどこまで進化するか大いに楽しみである。

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