巧妙なり！溝呂木眞也の陰謀

　ウルトラマンネクサスに登場した闇の巨人・ダークメフィストに変身する
溝呂木眞也は、これまでの悪役の中でも稀有のタチの悪さである。

 　斎田リコが孤門と出会った日の夜に家族もろともノスフェルを使って襲い、
リコは自らの手で射殺し人形として操っていた。
　最初は溝呂木が言うところの‘恋人ごっこ’を傍観していたが、時おりファウ
ストに変身させ姫矢に つきまとわせる。

　ひょっとして姫矢がリコを‘ファウストの正体だ’と言って殺そうとするところ
を孤門がジャマをするという展開もあるかな？と思っていたが、さすがに
それはなくファウストは孤門を庇ってノスフェルの爪に切り裂かれた。　

　当初はダークフィールドに孤門を紛れ込ませ、ファウストが孤門の上に来た
ためウルトラマンが攻撃できなくなりピンチに陥ったのだが意外にもファウ
ストがリコの記憶を僅かながら取り戻したので第2弾として孤門をノスフェル
に殺させようとする。

 　続いて動物園で孤門をいたぶった後に孤門が頼まれて撮影した家族を
再びノスフェルで襲わせる。
　ここで家族全員を殺すのではなく親のみを殺して操るという手を使う。
　そして両親から捕えられた理子をノスフェルの額に吸収させる。

　そうとは知らずノスフェルをリコの敵と怒りに燃えた孤門は引き金を
引くが、孤門が引き金を引く様子を理子の兄の意識に投影するのでノス
フェルは倒したものの理子の兄から孤門は痛烈に批判される事になる。

　怒りに支配されて失敗し遂に戦意喪失した孤門に近づき
‘リコに会わせてやる’と悪魔の囁きをして、闇の波動に飲み込もうとした
のだった。

　これがノスフェルを倒す前だったら そこまで効果がなかったかもしれ
ないが、怒りに身を任せて失敗した直後だけに孤門は心に 相当な
ダメージを受けたのだった。

　ただし溝呂木にとって誤算だったのがガンバルクイナくんに託したリコの
想い。
　幻のリコに誘われて闇の波動に飲み込まれる寸前にガンバルクイナくんを
踏みつけて改めてリコの死を実感する事によって孤門は現実を受け入れ
ダークフィールドからの生還を果たすのだった。

 　やはり死んだ人間の想いまでは計算できなかったのかもしれない。