現在ヒーロー作品に登場する宇宙人は基本的に‘○○星人’と呼称
されている。
‘○○星人’という呼称にすっかり馴染んでいる我々だが最初に‘星人’
と名乗ったのは56年の大映作品・宇宙人東京に現るに登場したヒトデ
型のパイラ星人からと考えるのだが、57年の東宝作品・地球防衛軍に
登場した遊星人はミステリアンと呼称されている。
彼らは火星と木星の中間にあった母星を核戦争で爆破させてしまい
破片である小惑星帯に住んでいたというもの。
その後59年には姉妹版ともいうべき宇宙大戦争には遊星人ナター
ルが登場するものの、いずれも‘ミステロイド星人’とか‘ナタール
星人’などという呼称はしなかったので東宝作品で‘星人’という呼
称が始まったのは65年の怪獣大戦争に登場するX星人あたりから
だろう。
一方TVでも最初に異形の侵略者として登場したのはウルトラQの
ケムール人だろうが‘ケムール星人’とは呼ばれず、最初に‘星人’
の呼称が使われたのはボスタング編でボスタングを送り込んできた
キール星人と それを阻止しようとするルパーツ星人だがルパーツ星人
は人間体でキール星人は姿を現さないままだった。
そして制作最終話にあたるガラモンの逆襲にはガラモンを操る異形の
生命体は劇中では呼称されず、後にセミ人間となっているが星人扱いで
はなかったので‘星人’の呼称がメジャーになるのはウルトラマンの制作
第1話であるバルタン星人になる。
その後キャプテンウルトラではバンデル星人が登場するしウルトラ
セブンでは‘○○星人’のオンパレードで、東宝でも怪獣総進撃に登場
する侵略者はキラアク星人だったので それだけバルタン星人のインパ
クトは強かったのだろう。