ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOSには前記した3体の
怪獣&メカ?以外に登場するのがカメーバ。
とはいっても冒頭でゴジラからの攻撃で首の部分に致命傷を
負って死亡し漂着したという形の登場だから、ゴジラの強さを
アピールする噛ませ犬的な存在でキングコング対ゴジラに登場
する大ダコのようなものだろう。
劇中では‘セルジオ島云々’と決戦!南海の大怪獣に登場した
時の事を語っていたのだが、70年に上映された同作に登場した
カメーバを善玉怪獣と勘違いする者が私を含めてけっこういた
のを思い出す。
決戦!南海の大怪獣にはカミナリイカのゲゾラとカルイシガニの
ガニメにマタマタガメのカメーバが登場するのだが、ラストでガ
ニメとカメーバが対決するので最初にガニメが人間を襲撃してい
た事からガニメが悪玉でカメーバは善玉と思い込んでいた。
当時の我々にガメラ=カメの怪獣=人類の味方という先入観が
あったわけで後に見直すとカメーバも短い時間ではあるが人類を
襲撃しており、カメ怪獣が必ずしも善玉ではないというのが分かる。
また怪獣映画を見始めたのはガメラが登場して以降で子供の頃は
ゴジラより子供の味方という事や空を飛ぶという要素があったため、
登場する怪獣に善玉と悪玉の色付けをする傾向だった。
しかし東宝映画では一番人間の味方に近いモスラでも小美人を取
り戻すため渋谷界隈を破壊しただけでなく、さなぎになるため東京
タワーに取り付いて倒壊させるという被害を与えているのだからガ
メラの善玉怪獣という位置付けこそ異常だったわけだ。
それを考えるとガメラを子供の味方とした大映の戦略は見事だし
善玉怪獣という存在を強調したわけだが、先入観が判断を曇らせる
という事を最初に実感したのが怪獣映画だったというのも意外な話
である。