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ウィルフレッド・ゴメスを初めて見た日

 29年前の今日、北九州総合体育館でWBC世界Jフェザー級
タイトルマッチが行われ挑戦者のKO仕掛け人と言われた1位
のロイヤル小林がチャンピオンのウィルフレッド・ゴメスに
挑戦した。
 チャンピオンのゴメスはデビュー戦で引き分けた後、全試
合KO勝ちしている猛者だがタイトルを奪取した試合で1Rに痛
烈なダウンを喫しているし初防衛戦でもKO勝ちしたがアゴの
骨折をして半年のブランクがある。
 一方の小林は76年10月にタイトルを奪取したものの46日目
に強制された韓国での指名試合で廉東均に逃げ回られて判定
負けし防衛に失敗している。
 その廉に勝ってタイトルを奪取したのがゴメスだったのだ。
 当時の日本は76年10月に小林と具志堅が2日続きのタイトル
奪取して以来世界挑戦12連敗中だったので小林の強打が決して
打たれ強くないゴメスのアゴに決まればタイトル奪回も夢では
ないと我々も期待していた。
 北九州で行われたので興行タイトルは‘巌流島の決闘’強打
者同士の対戦はその名に相応しかった。
 試合は2Rまで小林が攻勢をかけゴメスはほとんど手が出ない
状態で小林断然優勢と思われた。
 ところが3Rににらみ合いからすれ違いざまに小林が足を引っ
掛けられたように倒れたので‘スリップか?’と思われたがレ
フェリーはカウントを数え立ち上がったものの、あっさり2度の
ダウンを追加され小林はKO負けを喫した。
 後からVTRを見るとすれ違いざまにゴメスの左フックが小林の
アゴの先端をかすっておりこれでダウンしたのだ。
 試合後の小林のコメントは「2Rまでゴメスのパンチはスポンジ
で叩かれているような感じで全然大した事ないと思っていた」と
いうもの、しかも「いきなりの右を貰って」と言うと周りから
「左フックだろうが」と言われたらしい。それぐらいゴメスの左
フックのタイミングは絶妙だったのだ。
 それまで強打者といえばパンチ力で倒すタイプばかりでゴメス
のようなパワーは無くても絶妙なタイミングで急所をピンポイント
で打ち抜くタイプは初めて見た。
 後にゴメスはこのタイトルを17連続KO防衛という記録を作って
返上するとフェザー、Jライト級も獲り3階級制覇を達成したのだ。
 パンチ力に頼るのでなくテクニックで倒すスタイル、この系譜を
受け継いだ日本人の世界チャンピオンは渡辺二郎のみというのが
この国のボクシング界の貧困さを表していると思われる。
 それにしても当時としては物足りなかったが凄い物を見せて貰っ
たと今では大いに感心する。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
目でよける (Unknown)
2007-01-28 01:32:32
ゴメス、レナード、後ドンカリーね、あのニノラロッカの速いパンチみんなよけたもの、あれには驚いた記憶がある、ゴメスのアッバーもロイヤルの足がゼリーのようになって、あれはかわいそうだった、レナードは対グリーン戦ワンツーから左でグリーン失神したものなぁ。あっゴメスね 対廉東均のビデオみたけど、あの顎の弱さならチャンスアリと思ってもおかしくはない、サンチェス負けてから、避けて打つから打たれても打つに変わってしまったような?それでもJライト迄取るのだから、パッキャオと比較したらどちらが強い?
 
 
 
書き込み御礼&レス (こーじ)
2007-01-29 00:00:14
>Unknown様
 廉戦の事をやたらと試合前に言ってましたからかなりチャンスありと私などは思ってました。パッキャオとなら間違いなくパッキャオでしょうね、ただJフェザーでは分かりませんが。
 
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