今から40年前の今日71年11月26日にOAされたのが合成怪獣レオゴンが
登場する帰ってきたウルトラマンの34話・許されざるいのち。
植物と動物を合成し新たなる生命を生み出そうとした生物研究所の科学者・
水野一郎が主役のマッドサイエンティストものだが、主役とも言える水野が郷
秀樹の幼なじみだったという設定が単なるマッドサイエンティストものとは違う
点になっている。
‘動植物は一体だ’と考える水野は、その考えを死んだ父親から否定されたのを
根に持って動植物一体の生命体を創り出す事に執念を燃やしαレオン電磁波を
浴びせた末に誕生したのがレオゴン。
しかし電磁波の影響か人間大に成長しただけでなく研究所を脱走し芦ノ湖に
出現してしまう。
当初は最初にレオゴンを発見した次郎を‘コブラの毒で抹殺する’と脅迫した
ものの最後は事情を聞いた郷の説得を受けレオゴン抹殺の方法・βレオン電磁
波の照射を提言する。
ところがレオゴンの声を聞いた水野は親の情が沸いたのか抹殺できずに湖に
入って近づいていった挙句、飲み込まれてしまった。
水野を追って湖に飛び込んだ郷はウルトラマンに変身しレオゴンを倒して事件
は終わるのだが研究所を子供の遊び場として解放するように記した水野の遺書
が見つかるのだった。
郷が水野を説得するために乗り込むのも郷と水野が幼なじみだった事が効いて
いるし、レオゴンに向かって泳いでいく水野を追う郷の間に子供時代の思い出の
シーンがPYGの花・太陽・雨をバックに挿入されているのが何といっても印象深い。
名作には それを彩る音楽が残るというが、まさしくその通りで11月の傑作集の
トリを飾るのに相応しい作品だろう。
ちなみに このEPの原案を担当した小林晋一郎は18年後の89年にゴジラvs
ビオランテの原案も担当しているので、まさしくレオゴンはビオランテの原型に
あたるのだ。