山中 0―3判定負け陥落…最大15キロの減量苦も響いた
一昨日神戸で行われたWBOミニマム級タイトルマッチで王者の山中
竜也は、3位のビッグ・サルダール相手に7Rにダウンを喫するなど完
敗し2度目の防衛に失敗した。
試合は序盤ほぼ互角の展開でスタートしたのだが4Rあたりから挑戦
者のペースになり6Rに盛り返したものの、7Rに右を貰って痛烈なダウ
ンを奪われ一気に流れは挑戦者に行ってしまい11Rにはバッティングで
出血するなど後半を完全に抑えられ115-112、116-111、117-110
の0-3判定で完敗。
残念ながらCS放送だったので生中継を見られなかったのだが山中陣
営は後半勝負という戦略で臨んだものの、7Rのダウンで流れを一気に
持って行かれた形になるようだが後半足がつるなど15㌔もの減量の影
響が出ていた面は拭えない。
それにしても最近のミニマム級王者の影が薄くWBOミニマム級王者
といえば15年5月に田中恒成が高山勝成が返上したタイトルの決定戦
で勝ったものの、山中からタイトルを奪取するサルダールにTKO勝ち
して初防衛に成功した後に減量苦からタイトルを返上すると高山勝
成が一旦決定戦で勝つがすぐに返上。
その後釜に座ったのが福原辰弥だったが山中が昨年8月に判定でタ
イトルを奪取という流れでタイトル奪取⇒何らかの事情で返上という
流れが定着しており、今回の山中も15㌔もの減量の影響から年内にも
タイトル返上を仄めかしていたしIBF王者の京口紘人も減量が厳しい
ためコチラも早い段階でタイトル返上の方針との事。
最近のボクシング界では単なる世界王者では世間から認知されない
状況に陥っており、以前なら世界タイトル奪取はキャリアのゴールだ
ったのが今や本物の強豪と対戦するためのスタートという傾向だ。
今回の山中もタイトルを奪取した試合や初防衛戦は地上波やBSでの
生中継すらなく元WBCバンタム級王者・山中慎介と間違えられる始末。
正直言って山中の防衛失敗は残念ではあるが下手に防衛を続けると
階級を上げるタイミングを逃す可能性もあったわけで、過酷な減量苦
から解放されるというメリットを考えると決して悪い事ではない。
それにしても山中だけでなく計量失敗でタイトルを剥奪された比嘉
大吾に、5月にLフライ級タイトルを失った田口良一など下手に防衛に
成功し続ける事で減量苦に苛まれるよりタイトルを失う事で階級を上
げる踏ん切りを付けられるようになるという状態はどうにかしないと
いけないだろう。