一枚捕手は絶対に必要か?

 元シアトルの城島健司が今年から日本球界に復帰したものの古巣のホークス
ではなくタイガース入りしたのを知ったホークスファンからは‘何で城島を真っ先に
取りにいかなかったのか’という声があったが、個人的には‘取れるに越した事は
ないけど無理して取る必要はなかった’と思っていたら城島を取ったタイガースは
優勝を逃し取らなかったホークスはリーグ優勝を果たしたのだ。
 
  日本では‘捕手は固定するべし’という発想がある。
 確かに古田敦也や城島のような名捕手がいればチームは安泰だろうが、その
反面とんでもない弱点があるのも事実。

 古田が全盛の頃にスワローズは93年・95年・97年と3度も日本一に輝いて
いるが、94年・96年・98年と優勝した翌年は連覇どころか4位とBクラスに転落
しているのだ。
 これは古田がケガなどで不調に陥った年でもある。
 
 実際スワローズは野村監督が退任した99年以降の成績は悪くなく01年には
若松勉監督の下でも日本一に輝いているが、古田の衰えと共に低迷し始めた
感が強い。

 そういえば野村監督がプレーイングマネージャーをしていた南海ホークスは
野村が退団した78年から98年まで20年間連続でBクラスに終わっている。
 南海球団のフロントの不手際などもあるだろうが、これなど一枚捕手制度の
弊害がモロに出た形ではないだろうか。

 MLBでは捕手は二人制になっている。
 投手との相性やナイター明けのデーゲーム、Wヘッダーや移動日なしの連戦
では違う捕手を起用する。

 これなど1人の捕手がケガや不調で使えなくなっても極力影響が出ないように
する配慮と考えられる。

 それに対し城島は全試合に出たいタイプなので あえてMLBの他チームに
移籍せずに帰国したのだろうが、そうなると城島の調子に左右される事になる。
 つまり城島が好調な時は強いけど、不調になるとペースダウンしてしまう
チームは決して健全ではないだろう。

 ならばホークスが なぜ細川を獲得したかと考えるのだが、細川は辛口の
野村監督が褒めるリードをするものの古巣のライオンズでは銀次朗や上本ら
との併用だった。
 
 ある意味ホークスは城島が移籍してから昨年まで3位がやっとだったという
事は一人制の弱点を最も分かっているという事になるし、細川なら調子を落
とした時に山崎や田上を起用するというオプションも取れるのだ。

 考えてみれば今シーズンのパ・リーグはリーグ優勝したホークスだけでなく
日本一になったマリーンズも里崎と的場を併用させていたし、大野と鶴岡を
併用したファイターズや鈴木と日高を併用したバファローズなど一枚捕手の
チームはない。

 実際マリーンズが里崎の一人制だったら背中を痛めていたりしていたので
フル出場は難しく、CS出場すら逃していた可能性があるのだから昨シーズン
オフに獲得した的場との併用だったのが大きいと思う。

 一方でセ・リーグはドラゴンズが谷繁、タイガースが城島、ジャイアンツが
阿部、スワローズは相川とCS争いをした4チームは一枚捕手だから妙に
対照的である。

 そういう意味で果たして一枚捕手と併用性のどちらがいいのかという議論が
湧き上がるはずなのだが、プロ野球のOB達は自分達がやってきたからか
一枚捕手でなければ絶対にダメという論調が殆どなのは嘆かわしいと思う。

 


  

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