仮面ライダークウガ放送開始から20年

　今から20年前の今日・00年1月30日は仮面ライダークウガが始
まった日であり、この作品がヒットした事で平成ライダーが今でも
続いていると言っていいだろう。

　仮面ライダーの新作が始まるという情報が流れていた時には‘また
スカイライダーのように昭和ライダーの続編のようになるのか？’と
いった予想も立ったのだが、実際にOP映像を見ると昭和とは全く違
うものだったし本編が始まってもドキュメンタリー方式でマイティ
フォームを中心に敵によって4つのフォームを使い分けるという点
でも斬新だった。

　敵はショッカーのような悪の秘密結社ではなくグロンギといわれ
る種族で、独特のルールで殺人ゲームを楽しむ形でクウガは警察と
協力してグロンギと戦うという昭和ライダーとは全く違うフォーマ
ットになっていた。

　またクウガは改造人間ではなく五代雄介の体にアマダムという霊
石が体内に入り込んで変身能力を持つというのが敵のグロンギも然
りといった設定で、警察と協力してグロンギと戦うという要素など
と同様に昭和ライダーとの違いだろう。

　ただしクウガは変身する五代雄介と刑事の一条薫のコンビを中心
にグロンギに立ち向かうという要素は以後の平成ライダーシリーズ
に受け継がれず、また何より変身するのが五代のみでクウガ以外の
ライダーは登場しないというのは複数のライダーが出まくる以後の
作品にはない魅力がある。

‘仮にグロンギのような殺人集団が現れたらどうなるか’的なドキュ
メントになっており、ドラマ面も充実しているので1話では描きき
れず2話で1つのエピソードをこなすというスタイルも悪くなかった。

　当然ながら子供向けとは思えない描写や‘仮面ライダー’と呼称され
ないし技の名前も叫ばないなどの要素は批判もあったようだが、製作
サイドは最後まで作風の路線変更には応じずに押し通したからこそ
の名作だと思う。

　龍騎以降は完全な商業路線に乗ってしまった事を考えるとクウガ
は貴重な作品だと言えるだろう。