UNDERWATER

水面下で秘密裏に行われる話題をチョイス!

キンチャクダイの社会を垣間見る

2016-09-21 08:47:34 | 水の中


沖堤では、よちよち泳ぎの親指の爪大の幼魚が見られております。

岩の隙間を縫うように、入ったり出たりしているので、モグラたたきゲームのような撮影になります。

まぁ、ある意味...負けず嫌いの私としては、かなり意地に(笑)なって撮りますけど。



斜面のディープストップ地点に1ぴきと安全停止地点の間にある流木の所に1ぴき、似たようなサイズの
キンチャクダイがいます。

手前が少し大きく流木を住処とし、奥の鰓蓋の黄色のラインがまだ鮮やかな個体がディープストップ地点
を縄張りにしています。

奥の個体が手前の個体のエリアに入った途端、どうやって察知しているのかは分かりませんが、烈火の如く
現れ、組み伏せるように蹂躙しました。その後、相手が完全に参っているにも関わらず、執拗に追い立てて
相手のエリアに押し戻しました。

この行為が、いわゆる「キンチャクダイの社会構造」の1つである、成魚に因る幼魚に対する成長の阻害に
あたるのかは分かりませんが、人一倍沢山の時間を水中で過ごして、少なからずそれなりの観察眼をもって
海に臨んでいても、気がつかない事実がまだまだ沢山ある事に愕然として、振り返った道のりの何と短い事
かと、ため息を漏らすとともに、一瞬垣間見た景色が頂上ではなく、中腹の頂きであったことを思い知るの
でした。