

怜「ヨナ・・・つなぐよ・・・。」
ヨナ「は、はい

怜の霊気が研ぎ澄まされてゆく・・・。
今、怜は隠者の森で何十何百億もの中から
玄馬さんの木人図を探しているのだろう

これは、時間が・・・。
怜「・・・・いた


はやっ


ヨナ「いきます

怜の視ている世界をヨナちゃんに共有し、
降霊術の精度を上げている

これなら初めてでも、ヨナちゃんが
失敗することはないはずだ

ヨナ「イーサのカム・・・ヨク・・いただきて・・・」
透明「これが、ヨナちゃんの力・・・

ものすごい集中力と霊力の精度だ

これがまだ中学生だというのだから末恐ろしい

透明「おっと


私は、明穂ちゃんの木人図の変化を常に
視てとれるようにチャンネルを合わせてゆく・・・。
三人が三人とも今できることを最大限まで高めてゆく

ヨナ「きます

怜&透明「

ヨナちゃんの気質が、全く違うモノに変わった

ヨナ「・・・・・・。」
怜「・・・後、よろしく

透明「わかった・・・。」
私は、ヨナちゃんの手を取り話しかける

優しく・・・ゆっくりと・・・丁寧に・・・。
透明「玄馬さん・・・聞こえますか

玄馬「・・・・う・・・うう・・・・。」
透明「大丈夫・・・ゆっくり・・・呼吸をして

明穂「あああっ・・・・。」
透明「

怜「大丈夫

続けて・・・。」
透明「ふ~っ

目を開けていてください

玄馬「・・・う、ううっ・・・眩しい・・・。」
透明「焦らず・・・ゆっくりと

明穂ちゃんの木人図は


玄馬さんの木人図との距離は

変わってはいないみたいだが、焦ると
明穂ちゃんの木人図が折れてしまう・・・。
透明「玄馬さん・・・・。」
玄馬「・・・ここは・・・どこだ

透明「おかえりなさい

あなたが生きていた世界ですよ。」
玄馬「・・・ワシは・・・そうか・・・死んだのか・・・。」
透明「・・・ええ

ですが、あなたは今もココにいる

死とは生への通過点でしかありません

あなたは、しっかりと修行を終え、
また新たな人生を歩んでいます

玄馬「新たな・・・人生・・・。」
透明「あなたは今、明穂という可愛らしい女の子として
転生しています

あなたの次の人生です

玄馬「・・・・あれが・・・ワシ・・・。」
透明「

明穂ちゃんと玄馬さんの木人図が離れ始めた

ここからが、本当の勝負

透明「はい


少しお話を聞かせていただけますか

玄馬「・・・なんだ

透明「答えにくいことは答えなくてよいですからね

あなたは、幸せでしたか

玄馬「・・・・・ワシの・・・人生は・・・。」
透明「・・・・・(

玄馬さんの木人図が、上の方から消えて
ヨナちゃんの方へ流れているように視える

やはり、霊魂である玄馬さんが、自ら記憶を
呼び起こそうとすることが明穂ちゃんの中に存在する
玄馬さんの木人図を元に戻す鍵になっているんだ

ただ、気は抜けない

もし霊魂である玄馬さんの感情が暴走すれば
明穂ちゃんの木人図を折ってしまう勢いで
玄馬さんの木人図が離れてしまう・・・

とにかくここは慎重に言葉を選ばなければ・・・。
続く・・・。








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