

母親「ど、どうして

どうして潤がこれ以上苦しまなくちゃ
ならないんですか

透明「お母さん


少し説明が長くなりますが、聞いてくれますか

私は真剣な眼差しで母親の目を見る

母親「


・・・教えてください・・・。」
私は、修行を終えた者がどのようにあの世へ
導かれるのか

いうことなどを説明することに・・・。
母親というのは偉大だと思う

あれだけ取り乱していたにも関わらず、
我が子のピンチと聞くやいなや、冷静に
話を聞き入れてくれている・・・。
私はお母さんにも分かりやすいように話を進める

透明「ということです

ですから、このままでは潤くんは・・・」
母親「・・・潤は・・・今、どこにいますか

透明「えっ

母親「透明さんには、今も潤が視えているんですよね

透明「ええ・・・私の左側に立っています

お母さんは、私の左側に膝を向けて座り直す

母親「私が今、潤に話しかけたら
その言葉は潤に届きますか

透明「ええ


今も潤くんは聞いていますから

私も潤くんに向けて座り直す

大きく息を吸うお母さん・・・。
母親「・・・潤・・・ごめんね・・・

お母さん、もう潤に心配かけないから

自分から死のうなんてしないから

だから

いかないと・・・・

少し寂しくなるけど、お母さん
ちゃんと生きて、ちゃんと死ぬから

そうしたら、潤は迎えにきてくれる

あの世でも一緒に暮らしてくれる

お母さん、胸を張ってアナタに会えるように
生きていくから、もう心配しないでいいからね

・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・潤・・・潤・・・もう一度・・・
会いたいよ~・・・潤・・・あの世で
・・・幸せになってね・・・

親子の目に涙がとめどなく溢れている

私はお母さんの背に移動し、そっと手をかざす

残り少なくなった気質で、私の視点と
お母さんの気質を同調させる

透明「(何とか保ってくれよ・・・

ふと顔を上げる母親・・・。
母親「

潤「

母親「あああああっ


潤「・・・おか・・・あさん

母親「潤


透明「たぶん、2、3分しか持ちません

伝えたいことしっかりと伝えてください

二人は、想いのたけを必死に伝え合う

意識が飛びそうになるのを必死で押さえる私は
なるべく長く親子の時間を作ろうとすることに
全集中で、親子の言葉を記憶に留めることすら
できなかったが、それはそれで良いと思っていた

透明「くっ

もう途切れてしまうと感じた二人は・・・。
母親「


お母さん・・・会いに行くからね

潤「お母さんも元気で・・・絶対に幸せに

・・・俺がしてあげられなくて・・・
・・・ごめんね・・・・

母親「ううん


あなたが私の子でいてくれただけで
お母さんは十分幸せだったから

・・・大丈夫・・・・潤・・・

行ってらっしゃい

潤「



気質の同調が途切れた・・・。
続く・・・。







https://guardian-jewelry.com/
ポチしてくれると励みになります

応援よろしくお願いします

↓ ↓