Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

オランウータンか妖怪か(ショウジョウウミウシ)

2017-05-02 19:14:43 | ウミウシ

後半ドンヨリな空模様になった本日のやんばるです。

気温はほぼ夏日だったので、まあ穏やかな心地よさでしたけど。

連休の後半は、晴れマークと雨マークが混在する予報になってますが、つまり今後も予報が変化しやすいということなのでしょう…。

それはともかく、海はベタ凪です。

風は東。晴れのち曇。

■■

その昔、揚子江の傍らにある金山に高風(こうふう)という名の男がおりました。ある夜高風は、市場で酒を売れば多くの富を得られるだろうというお告げの夢を見ました。それに従い、高風は市場で酒を売り始めました。すると毎日店に来る客の中に、いくら飲んでも顔色が変わらず、酔うような気配すらない者がいることに気づきました。不思議に思った高風が名を尋ねると、その者は猩々(しょうじょう)という海中に住む者だと答えて去って行きました。そこで高風は月夜の晩に、川辺で酒を用意して猩々を待っていると、水中より猩々が現れました。二人は共に酒を酌み交わし、舞を踊りました。猩々は高風の徳を褒め、泉のように尽きることのない酒壺を与えて帰っていきました。

これは能の『猩々』のあらすじです。

これを見る限り、〈猩々〉とは水中に住む精霊、あるいは半神半人のような存在なのでしょうか。

しかし尽きることのない酒壺を持っていたのに、どうして毎日酒を買いに行ったりしてたのでしょう…とか思ったり…。

■■

さて…

〈ショウジョウウミウシ科ショウジョウウミウシ属ショウジョウウミウシ Madrella ferruginosa 17年3月28日 沖縄島安和〉

〈猩々〉は、民話や伝説としても日本の各地に残っています。

そのほとんどが海に住み、全身を赤毛で覆われた姿をしています。

いわゆる妖怪的なイメージのようです。

本種のミノ状突起は赤毛というよりは茶色または赤茶色という感じですが、刺激を与えるとその突起を逆立てたりして、その様は妖怪チックに思えたりも…。

学名種小名は『鉄さび色の』の意。

こちらの方が、実際の色に近いですね。

■■

ところで…

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

〈猩々〉はオランウータンの漢名でもあります。

どうでしょう…

オランウータンっぽく見えますか?

それとも妖怪っぽく見えますか?

 

コメント
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