3月14日マチネの観劇記です。今回はさとしさん、照井さん、神田君の大千秋楽

帝劇の千秋楽には行けず、しかもじいの求める最高の組み合わせで大楽……となれば行かない手はないでしょ~~~

ってことで、初博多座を堪能してきました。好評な意見は聞いていましたが素晴らしい劇場ですね~~意味不明な饅頭やお土産を売っている有楽町の劇場とは違うっ

ちゃんと食べたいな~~と思える“ちゃんとした”モノが盛りだくさん。トイレも並ばないし、ハコの規模も程よく

音響も良かったです~~音楽メインのコンサートやクラシック音楽的には後一歩かな

という部分はあったけど、歌舞伎や演劇には最適



音も割れないし音の伝わり方もベストな感じで
舞台全体、帝劇に比べると遥かに熱かったです

千秋楽のキャストがいるということも大きかったと思うけど、すっごく進化してて安定感も



してました。じい的にはやっぱり赤組アンサンブルの方が勢いがあるかな~とも思ったんですが、青組もハードスケの中を大健闘してたのではないかと。。。メインの方々も暴走するキャストはなくて、凄くこなれた感じで絡み合ってて、ホント、集大成の最高の舞台を見せてもらったな~と大満足の

ラストサイゴン

でした。
以下、キャスト感想。
さとしエンジニア:
スミマセン

さとしさん、大好きな役者さんなんですよぉぉ~~

でも、、、1幕はほとんど飛んでました(笑) 別の人に完全に感情移入してて泣いていたので

でも、絡んでくるキャストとの関係も影響

悪戯っぽい仕草はなくて、真面目に(爆!)、、、じゃなくて、丁寧に演じられていたように感じました。今回はな~~んか、さとしエンジニアに優しさを感じたんですよね~~他のバルジャンなエンジニアに感じた「結局イイ人に見えてしまう残念感」じゃなくて

基本はやっぱり貪欲でワルで危険で関わるとろくなことがないだろうな~というキャラクターだし、可愛いんだけどウザイ、みたいな(笑) 「またも出たエンジニア~♪」と登場してきた時とか、まだいたんかいっ

みたいに苦笑しちゃったし。でもね~~エンジニアの生い立ちや持って生まれた性質から来る

人間的に切ないものを醸し出してるんじゃないかな~~と思ったんですわ。だから、1幕でトゥイを殺して逃げたいと言ってきたキムを見つめる視線、「命をあげよう」の後に差し出した手、2幕でクリスの元に向かうキムを送り出す時の雰囲気、最後の幕切れ、、、いろ~~んな場面でジンワリなんだけど、キムを守ってあげたい部分があったような???いや~~そういう単純じゃない感情を表現できるさとしさんには今回改めて脱帽しました
そうそう、あと、これを忘れてはいけない

アメドリ

今まで観た中で一番良かったんじゃないかな~~決して朗々とした存在感じゃないし、その場を飲み込むような空気にはならないんだけど、別の感覚で劇場を支配してたんですよね~~やっぱりこれぞ

さとしエンジニアの魅力

本当に本当に素晴らしかったですぅ~~
ソニンキム:
帝劇後半は少し暴走気味だった

じいの場合はMY楽がソニンキムで、ただただキムが実在しているとしか思えない存在感に圧倒されダダ泣きしちゃったという状態だったので比較も何もできなかったんですが……今回は、じいの方が2度目で慣れちゃったのか、ソニンちゃんがこなれてイイ感じになってたのか、自然な感じで見れたんじゃないかな~と思います。外見的なものもあると思うんですけど、それだけじゃないのよね~~存在感、空気感がキムそのものなんですよ。泥臭さ(もちろん良い意味で

)は少し控えめだった気はしましたが、生きるためにサイゴンに出てきて、そこで出会ったクリスに全力で心を向ける……その一途さがズッシリ伝わって切なくて切なくて……「究極の愛」ってフレーズがありますが、キムとクリス二人だけが純粋な愛があったとは思えないんですよね~~っていうか、戦場の中で清らかな蓮の花だったのはキムだけだと思うし

今回はキャスト間の人間ドラマを、もつれた糸が解けるように整理されて伝わってきたので、ますますそれを感じたというか。。。だからこそ、純粋な悲しみも感じられたような。。。
岸ジョン:
帝劇で会えなかったので今回が最初で最後

照井クリスとの相性もすっごく良かったです。思いっきり兄貴分というわけでもなく、どちらかというと、仲の良い高校生同士が悪巧みして繁華街に遊びに出た感じにも

自然な感じで微笑ましく見てた部分もあったかも(笑) 2幕

ジョンの演技部分が問われると思うんですけど、ちゃんと伝わってきましたね~~「ブイ・ドイ」も素晴らしい歌唱力+αで真剣な思いが表現されてたし(岸ジョンだけやる?手の動きがあるみたいですね~~それが更に泣かせるらしいけど、じいは気づかなかった

)後半、キムの真剣な思いを複雑な心で受け止めているところ、全身から伝わってきてウルウル

だからこそ、クリス&エレンの身勝手な言い分に意見する姿に説得力が



でした。
ほのかエレン:
いや~~2幕の「Now That I've Seen Her」はダダ泣き



エレンの心模様がちゃんと表現されてるんですよね~~ほのかさん

キムに対する複雑な心境……決して“できた女”、本妻の度量の大きさじゃない、、、自分で自分を嫌いになってしまうようなドロドロとした思いを感じたんですよ~~「あなたを憎まない、でも取られるのは嫌」……プラスとマイナス両面、それが伝わってきて切なくてねぇ~~ココばかりはクリスに対してイライラっと

この男はまったく

と怒りが沸々と湧き上がり

でも、これまたクリスに対するエレンの、信じられなくなっている部分がありながらもやっぱり愛しているという気持ちも歌の中にこめられてましたね~~ますます涙腺崩壊

マジ、ヤバイレベルまで泣いてしまいました。
神田トゥイ:
成長しましたね~~最初の歌披露となったクリエでのイベントから見てきましたが、お姉さん(笑)は涙涙でしたよぉ~~~

ベトコンの兵士的にはもう少し背丈が…と思わなくもないけど(ゴメンネ~

)、トゥイという人間の雰囲気をちゃんと出せてるし、迫力&存在感も言うことないし、思いもビシバシと伝わってくる。不器用なりにキムを思う気持ちが痛々しかったですね~~だからタムの存在を知った時の表情はひたすら凄くて。。。彼も決して悪じゃないと思うんですよ。現代から見れば、よその国から見れば、凄く理不尽に思える考えだったり行動だったりするのかもしれないけど、その時代、その場所に生きている人同士の営みということで考えれば、トゥイとキムが結ばれていても絶対に不幸だったとは思えないわけで……いろ~~んな考えが浮かんできたせいもあって、トゥイが死ぬ場面は胸が痛かったです。そして、そんな余白を感じさせる演じ方をしてくれた神田君に、、、表彰状
照井クリス:
はい、、、彼のクリスを見届けるために博多に遠征したことは否定しませんわ

いや~~これまたクリエのイベントから見守ってきましたが(実際の観劇は日程とキャストスケジュールの関係でそんなに観てないんですが

)、本当に本当に素晴らしい成長



1幕冒頭の登場シーン@ドリームランドで出てきた時から涙涙



その安定して大きくなった存在感に大感動しちゃいました。完全に間違った観劇になってましたが……ホント嬉しかったんです

で、その後の「Why god why?」、クリスの迷いがよく表れてたと思いました。部屋で歌う→外を眺める→外の世界に出る→部屋に戻る、この動きが1本の糸のようにスーッと心に入ってきたんですよね~~特に、最後のサビ部分で部屋に戻ってくる場面、虚無感に溢れていた心の救いをキムに求めたというのを部屋に戻るという行為が端的に表しているような気がして……
「The Last Night Of The World」辺りからクリスの毒の部分がチラチラと……これは前にも思ったことで、一番ガツンとやられたところだったんですけど、照井さん演じるクリスって、優しいだけじゃないんですよね~~どことなく最後の最後で守ってくれなさそうな“毒”を感じる

それこそがクリスの本質を表してると思うから、ある意味じいの求めていたクリスでもあるんだけど

だから二人の愛が盛り上がってて、それもまた真実だと思うし愛は確実にあったと思うんだけど、一方でその危うさと冷酷さを感じてしまって

(結末を知っている前提で観ているせいもあると思う)
2幕の告白シーン、、、やっぱり見せ方で言えば芳雄クン辺りは魅せるよな~と思うんですよね。そういう意味では物足りなさというか、肩透かしというか、その前までの流れが最高潮に良いだけに「アレレ?」と感じてしまうんですけど、、、贔屓目に見ていることも加味して

その“物足りなさ”にクリスの負の部分を感じると、ちょっと違った見方ができるというか……後にキムの本心を考えずにエレンと身勝手な言い分を主張する場面にすんなり繋げることができるんですよね~~でもね~~だからこそラストで厳しい現実を突きつけられた時の雰囲気がズッシリくる。決して同情も共感もできないし、ましてや庇うことなんてできない男だけど、な~~んか生々しい感情を抉り出してくれちゃって、、、じい、泣きまくりでした


カーテンコール

今回楽を迎える3人の挨拶がありました。詳細は
公式HPに動画がアップされているのでそちらをご覧くださいませ~~

全員で「We love Miss Saigon」と言えたのは嬉しかったです
で、、、作品の世界にも涙涙だったんですけど、カテコでもさんざん泣かされましたね~~特に照井さんの挨拶には涙が止まらなくて、もう~~ほとんど泣き崩れ寸前で聞いてました。まさか大切な人との別れがあったなんて……こうやって書きながらも涙が出てきそうなんですが、その渦中にいる人の気持ち、それを抱えて舞台に立つ人の気持ち、それを観る人の気持ち、それぞれの立場があまりにもリアルに受け止めてしまえるから……しかも、じいがそうだった時に手を取ってくれて、エネルギーを分けてくれた人が照井さん、その人だったんです。これまた「縁」だったんだな~~としみじみと思ってしまうんですが、、、ダメだ、泣きそうなので後は胸にしまっておきます。
〆の

カテコは千秋楽三人組で登場~~

さとしさんはエンジニア100回記念公演の時に贈られたという濃厚な法被(アレはさとしさんだからこそ着こなせる

)にアンサンブルの方々から贈られたエンジニアキャップで登場~~両手に花、じゃなくてイイ男2名。さとしさんと並んでいる照井さんを見て、、、そういう存在になったのね~~と感慨深くなってしまって、またもや泣いちゃったじいなのでした