アンダンテ ~私の歩幅で~

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フジ子・ヘミングさんの言葉

2006年03月09日 | ことば
『フジ子・ヘミングの「魂のことば」』 (清流出版)

この本は、新書サイズでハードカバーです。
彼女の人生のいろいろな場面で、
彼女が感じたこと、思ったこと、考えたこと、
等が、短い文章で綴られています。

その中から、私の好きな「ことば」を
いくつか抜粋してみました。

目の前にある現実だけを見て、
  幸福だとか不幸だとかを判断してはいけない。
  その時は不幸だと思っていたことが、
  後で考えてみると、
  より大きな幸福のために必要だった
  ということがよくあるの。

いくつになっても、夢に向かって進めばいい。
  いまよりよくなる、前進してみせるって
  気持ちを胸に秘めて。
  私も明日こそ、来週こそ、
  もっとうまい演奏ができるといつも信じていた。
  そう信じていると、不思議なことにそうなるものよ。

大事にしているもの?
  それは "音"。
  私だけの "音" よ。
  誰が弾いても同じなら、
  私が弾く意味なんかないじゃない。

最近ようやく度胸がついてきて、
  演奏会でもそんなにドキドキしなくなった。
  最初のうちは、ほんとうにお客に受けるかが心配で、
  間違ったらすぐ私をバカにして
  帰っちゃうんじゃないかと考えて、
  とても恐ろしかった。
  芸術とは精神の積み重ねで、
  見る人に感動を与えるものなんじゃないかしら。

もっともっと、ピアノをうまく弾きたいから、
  いまでも1日3時間の練習は欠かせない。
  サラッと弾いているようでも、
  内実は楽じゃないのよ。

私はピアノを弾きながら、頭の中で絵を描いている。
  やっぱり音色というのは、色っていうくらいだもの。

人生に無駄なことなんか、ひとつもない。
  生きるってことは、いろいろ経験すること。
  その時は、自分とはまったく関係のないことのようでも、
  その経験が大切に思える時がきっとくる。




フジ子・ヘミングさんの言葉 ②