文政五年(1822年)の創業以来、およそ二百年の時を刻む老舗の鰻店。
かの横山大観をはじめ、板谷波山など多くの文人墨客も足しげく通った
とされる話は、耳にされた方も多いのではないでしょうか。

江戸文政年表を見てみますと、勝海舟や西郷隆盛など幕末の志士達の
多くが生誕したころ。その当時からお店があったことを考えると、
信じられないようなシビレル話しですよね。

威厳に満ちた構えですが、伝統や格式だけをグイグイ押してくる
のではなく、そのすべてが実に自然体。

それでいて、日常とは違う、極めて贅沢な時間が流れます。

私のような「ひよっこ」でも勘違いするほどに、気持ちよくさせて貰える
器の大きさと言いますか、懐の深さを感じます。

蒲焼定食 (税、サービス料込) 4158Yen

重箱のこしらえも素晴らしく見事ですね。惚れ惚れします。

肝吸い、香の物、フルーツ付き。

通常、夜はお造りなどが入る「蒲焼御膳5500円」からですが、
予約の際に無理を聞いていただいています。

三河一色産の鰻は、舌の上でふわりと「とろける」美味しさ。
タレは出しゃばらず、うなぎ本来の味わいをその髄まで楽しめます。

半分ほどは香りの高い山椒を掛けながら頂きました。
脈々と受け継がれる伝統の「うな重」は、食べきってしまうのが惜しくなるほど美味。

締めはリンゴの赤ワイン煮。


水戸 中川楼
茨城県水戸市泉町3-5-6
029-231-3318 駐車場完備