「あほリズム」 (144)

2011-09-06 08:54:48 | アフォリズム(箴言)ではありません



             「あほリズム」



               (144)


 大阪の電車の中で中年の女性に席を譲った。すると、彼女は甚く

感激して大きなカバンからアメを取り出して私にくれた。

「お兄ちゃん、これ舐め」

「ありがとう。でも、噛んじゃいけないの?」

「かめへん、かめへん!」

               
                

                 (145)


 大阪も画一化の波に逆らえず、古き良きことばも消えていく。

たとえば、かつて浪花千栄子が、

「まあ、ようお越しやしておくれやした」

などとアッサリ言うと、押しつけがましい大阪人の温かさが伝わっ

てきたものだが、しかし今では「あんじょう」言える人はいない。



               (146)


 台風12号がもたらした豪雨によって被害に遭われた和歌山県の

方々をお見舞い申し上げます。特に、亡くなられた方々を悼んで已

みません。さらに、ご家族の辛い悲しみに深くご同情いたします。

 作品の一部に和歌山弁を取り上げたこともあってとても他人事

とは思えませんでした。


                                  (つづく)