「中国の尖閣諸島領土化の狙いは台湾併合の布石である」
中国船、過去最長の領海侵入 沖縄・尖閣周辺、30時間超
https://news.yahoo.co.jp/articles/226147d2c053d27bd81cb9db64c40540501097c4
第11管区海上保安本部(那覇)は3日、沖縄県・尖閣諸島周辺で2日に
領海侵入した中国海警局の船2隻が3日午後10時半までに領海を退去した
と発表した。11管によると領海侵入は30時間超で、2013年8月の28時間
15分を超え、12年9月の尖閣国有化以降、過去最長となった。
尖閣周辺での領海侵入は今年で14日目。
菅義偉官房長官は3日の記者会見で「東京と北京双方の外交ルートで、
局長、公使レベルで繰り返し厳重に抗議している」と述べた。中国外務
省によると、同省の趙立堅副報道局長は、尖閣は中国固有の領土だとし
て、抗議は「絶対に受け入れない」と主張した。
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世界が新型コロナウイルスのパンデミックに悩まされている最中に、
いや、パンデミックの最中だからこそ、中国政府は覇権の拡張を求めて
急速に領土領海の現状変更を試みている。すでに中国政府は宗主国イギ
リスとの約束を破棄して香港の自治権を奪い取って、次にその矛先が向
けられるのは台湾であることにまず間違いないだろう。東シナ海の地図
を見れば一目瞭然だが、日本、中国、台湾の三国が領土を主張する尖閣
諸島は、中国から見れば、無人の尖閣諸島を領土化すれば自ずと台湾を
領土領海内に囲い込むことができて台湾問題は国内問題だと主張するこ
とができる。
つまり、中国が尖閣諸島の領海侵犯を繰り返す目的はその先の台湾の
併合を睨んでのことにほかならない。その際にもっとも厄介なのは尖
閣の領有権を主張する日本と軍事同盟を結ぶアメリカ政府の存在だが、
いまやアメリカは世界で最も多くの感染患者を抱えるパンデミックと
トランプ大統領が苦戦を強いられている大統領選挙期間中で両手を塞
がれてそれどころではない。もしかすれば一連の現状変更は、中国政
府がアメリカの大統領選挙期間を狙って仕掛けたのかもしれない。そ
う考えるとパンデミックさえもそのために仕掛けられたのではないか
と勘繰ってしまう。つまり、中国政府の狙いはあくまでも台湾であっ
て、尖閣諸島の領土化はその布石である。もちろん日本政府が尖閣諸
島の領有権を強硬に主張しなければアメリカ政府も同調しないし、中
国軍は易々と上陸して軍事拠点化して本土との間で台湾を挟み撃ちに
するだろう。それに対してわが国と中国への脅威を共有する台湾が取
り得る最善の方策は、日米同盟を結ぶ日本とそして台湾が共同戦線を
張って尖閣諸島の領有権を絶対に中国に渡さないようにすることでは
ないだろうか。それは中国と南北朝鮮連合(儒教主義連合) 対 日米と台
湾連合(民主主義連合)の謂わば「文明の衝突」である。
(おわり)