「あほリズム」(703)

2020-07-19 23:08:50 | アフォリズム(箴言)ではありません

          「あほリズム」

 

           (703)

 ニーチェによると、永遠の時間の中で世界が有限であるなら、世界

は同じことを永遠に何度も繰り返すと説き(永劫回帰説)、回帰は何もか

もが寸分の違いなくまったく同じように起こるというのだが(同じもの

の永遠なる回帰)、それは「再生までにはまだゆっくりできる、と汝ら

は思っている、――だが間違えてはいけない。意識の最後の瞬間と新

生の明け始めとの間には、〈少しの暇もない〉のだ。――それは電光

石火のように過ぎてしまう。たとえ生物たちはそれを幾兆年単位で測

り、あるいはそれでも測りきれないかも知れないが。知性が不在にな

れば、無時間性と継起とは両立しうるのだ。」(ニーチェ「手記資料」

122番(第12章66頁)

 つまり、回帰(転生)は死んだ後〈少しの暇もな〉く起こると言う。