「超国家主義(スープラ・ナショナリズム)」の更なる続きのつづき
ところで、トランプのカードを人間に置き換えてみれば、カード
に印された色や数字(数値)はそれぞれの人の国籍であったり性別、
年齢といった社会的な仕分けになるのかもしれませんが、たとえば
、いまや世界的な問題になっている人種差別や「ジェンダー・フリ
ー」の運動は、グローバリゼーションによって個人の意識が標準化
され、閉ざされた社会によって印された国籍や性別、或いは年齢や
能力といった謂わば分類するために印された色や数値から遁れよう
とする人間そのものの想いにほかならない。もっと簡単に言えば、
グローバル化した世界とは色や数値によって分類され「エントロピ
ーが低い」ように配置されたトランプのカードをシャッフルするこ
とにほかならない。さらに付け加えるならば、「その核心は熱は熱
い物体から冷たい物体にしか移らず、決して逆は生じないという事
実にある。」(カルロ・ロヴェッリ著「時間は存在しない」)つまり
、われわれは再び「古き良き時代」に還ることなどできないのだ、
老人が若き日に還ることなどできないように。