lizardbrain

だらだらぼちぼち

バルトの楽園

2006年06月23日 23時16分25秒 | 映画とかTV

第1次世界大戦中、青島(チンタオ)の戦闘で降伏し、日本軍の捕虜となった5000人近くのドイツ兵達は日本各地の捕虜収容所に収容された。
(そう、第1次世界大戦では、日本は戦勝国だったのだ。)
後に収容所の統合が行われたために、ドイツ兵捕虜達の一部は、徳島県鳴門市の坂東(ばんどう)収容所に移される。
坂東収容所では、松江所長の方針により、ドイツ兵の人間としての尊厳や自主性を重んじた運営を行っていた。

例年、日本中でベートーベンの交響曲第9番合唱付の演奏が繰り広げられているが、日本で最初に第9が演奏されたのがどこかの捕虜収容所だったらしい、、、、、、、、
という知識はあったのだが、その収容所こそ、この映画の舞台になった坂東捕虜収容所だという。
ドイツは降伏し、第1次世界大戦が終わり、捕虜達は本国へ送還される事になる。
本国に戻る前に、暖かく接してくれた収容所の日本軍兵士達や坂東の町の人達へのお礼を込めて、第9の演奏会が行われた。
といっても、第9だけに焦点を当てた物語ではなく、涙もののエピソードがさりげなく仕込まれている。

収容所の松江所長役の松平健は、映画での主演は、わずか4作目だという。
この4作目という数字には、ちょっと驚き。
サンバの人になる前は、ず~っとテレビの人だったんですね。

テレビといえば、監督の出目昌伸は、テレビの仕事も数多くこなしてきた人だ。
テレビドラマの演出や監督が誰かなどとは、めったな事で気にする物ではないが、ワタクシが、出目昌伸という名前を憶えているのには、ちょっとした訳がある。

中学校の同級生に、目玉がひときわ大きなヤツがいた。
当然、ついたあだ名が出目金
おそらく、日本中の目玉が大きな人の80%は、こう呼ばれていたはずだ、きっと。
この頃、テレビでは中村敦夫主演の時代劇『木枯し紋次郎』が大人気だった。
この木枯らし紋次郎という連続時代劇で、時々、監督として名を連ねていたのが、前述した出目昌伸という人。
出目さんという人物が、いったいどういう方なのか? は、全く気にならなかったのだが、気になったのは、めったに無いその名前の方だった。
出目さんが監督した週のドラマを見た後は、くだんの出目金というあだ名の同級生に、
「お前、木枯らし紋次郎の監督やっとんのかい?」
と冗談を飛ばすのが楽しみだった。
イヤ、あくまでも冗談であって、今でいうところのイジメなどでは、絶対にない、絶対に。

なお、この映画のタイトルバルトの楽園は、楽園と書いてがくえんと読ませる。
映画館のチケットカウンターで
「バルトのらくえん」
と言ってしまっても、チケットカウンターのオネエサンは、ニコヤカにチケットを売ってくれると思うので、あまり気にする必要も無いだろうが。
さらに、バルトとは、バルト海の事ではなく、ドイツ語での事だという。

しかし、坂東英二は、いつまでたっても下手クソ。
誰も、彼に演技など期待してはいないが、、、、、、、