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だらだらぼちぼち

木曾・信州(11) 雨の日で月曜日

2013年09月04日 15時03分39秒 | 風景光景

7月29日(月)は、朝から雨。

この日に雨が降りそうだと、週間予報で覚悟していたので訪問先を既に1箇所だけは決めていたのだが、1箇所だけでは時間が余ってしまう。
この際、この周辺で、屋外ではないどっか屋内で面白そうな所を探してみたら、あった。
松本市の旧制高等学校記念館で、「北杜夫と松本」という企画展があるらしい。
北杜夫、、、、、ドクトルマンボウか、なるほど面白いかもしれない。
と、松本市内に入る。
目的の旧制高等学校記念館に着くと、何という事だろう、、、、
『休館日』
という無慈悲な文字の入った看板がワタクシを待ち構えていたではないか、、、、、、
そうだった、この日は月曜日だった、、、、、
5月に京都の博物館と美術館2カ所を訪れながら現場で休館に気づいたあの日は月曜日が休日の翌日の火曜日だった、、、、、、
あの日あの時の京都で、一般的にミュージアムは人出が期待できる日曜日にさんざん稼いだ翌日の月曜日に休館するらしいと言う事を痛感しておきながら、このときのワタクシは全く学習能力が働いていなかった。
改めてクルマの中で、『北杜夫と松本』展のチラシをじっくり読んでみたら、申し訳程度の小さい小さい文字で「月曜日休館」と書いているのを見つけてしまい、7月の雨の旧制高等学校記念館の前で愕然とするワタクシであった。

休館しているものは仕方が無い、いつまでも閉ざされた扉を眺めていても意味が無いので、次の行動に移った。
次の行動とは、本を探す事である。

どんな本かというと、

妻籠宿や馬籠宿を散策したりはたまた下調べにガイドブックを開いていると、島崎藤村の名前が何度も出ている。
かすかに、ワタクシは中学生の頃に何がきっかけだったのか『藤村詩集』を読んだ記憶があるのだが、あんまり理解できなかった。
故に、あんまり面白く感じなかったので、藤村の小説を手に取ることなくここまで生きてきてしまった。
だが、これだけの短期間に何度も何度も藤村の名前を目にして、実際に藤村記念館にまで行ってしまうと、無性に藤村が書いた小説を読みたくなってきた。
そのとっかかりとして、まず『夜明け前』と『破戒』の2作を読むべきだという秘かな欲望が頭をもたげてきた。
なので、現在地近辺のブックオフを検索して、まずヒットした松本市内の2箇所のブックオフをまわってみた。
1軒目に入ったブックオフでは4分冊の『夜明け前』第1部(上)と第2部(上)(下)の3冊をゲット。
第1部の下巻がそろわないのはどうにもやり切れないので、松本市内で2軒目のブックオフに進入すると、『夜明け前』第1部(下)を発見した上に『破戒』まで棚に並んでいたので素早くレジに走った。

もしも、ここまでワタクシのこの日の行動を読んで頂いた人がいるならば、おそらくこう考えるだろう。

島崎藤村の文庫本は出版社の絶版リストには入っていないはずなので、
ごく当たり前に書店に行って新品を買えばすぐに手に入るだろうし、
もしもその書店に在庫が無ければすぐに取り寄せしてもらえるはずだ。
その上、
アマゾンで買えばワンクリックで送料無しで自宅から発注できるはずだ。
なのにどうして、
コイツは、
自宅からはるか500キロ離れた雨の松本市で、
しかも、
わざわざブックオフの中古本を買うために、クルマでうろついていたのだろう?

と。