DVDレコーダーやらHDDレコーダーやらが登場して久しいが、ワタクシはつい7年ほど前まで、VHSビデオデッキの留守録機能をフル活用していた。
新聞やTV雑誌の番組表をにらみながら、好みの番組を片っ端から録画していた。
録画していたのは、まず映画。
映画なら何でも良いわけではない。
当時、TVで放送される映画は、放送時間枠に合わせてたいていどっかがカットされていた。
だが、あまり放送時間枠を気にしなくて良かったのだろう、深夜帯に放送される映画はノーカーット(もちろんCMは入るのだが)で放送される物が意外に多かった。
どの監督が作ったのかとかどの俳優が出てるからとかの理由ではなく、ともかく「ノーカットである」事だけにこだわって留守録したので内容が伴わないこともしばしあったが。
映画の次に良く録画したのは、音楽番組。
特にバブル期には野外ジャズフェスの花盛りで、夏場に日本中あちこちで開催された野外ジャズフェスが、秋頃になるとTVで放送されるのだ。
こうして録画したビデオテープは、後で観たくなった時に備えて保存することが多く、どんどんたまる一方となり、テープラックに収まらないのは押入れに保管するしかなかった。
TVのそばに位置するすぐ手の届くテープラックから押入れにしまいこんでしまうと、めったなことで後で観直す機会など訪れなかったのだが、捨ててしまうにはおしかったのだ。
ここからが今回の本題。
映画や音楽以外にも熱を入れていたのが、アメリカ製のドラマシリーズ『ミステリー・ゾーン』の録画コレクション。
原題は『THE TWILIGHT ZONE』なのにどうして『ミステリー・ゾーン』などという面白くも無い邦題になったのだろうかと不満だったのだが、
何度も再放送されるうちに、そして後に映画化された時に原題の『トワイライト・ゾーン』という日本タイトルに落ち着いていた。
もしかすると当時の『ミステリー』という言葉自体には、現在とは違う意味があったのかも知れないが。
この『THE TWILIGHT ZONE』(日本語タイトル『ミステリー・ゾーン』)は、1959年から1964年にかけてアメリカで放映されたTVドラマ。
番組冒頭に脚本家のロッド・サーリングが画面に登場して、これから始まるドラマについて短く語るシーンが有名なので、ドラマ本編よりもそのシーンだけ憶えている人も多いかもしれない。
1959年というと、驚いた事にワタクシが生まれた次の年である。
ワタクシが小学生の頃にもTVでやっていたような記憶がかすかにあるが、その頃はこの番組の斬新さなど理解できなかったのは言うまでもない。
これまでに何度も何度も再放送されているようだが、地上波のKTV関西放送で86年7月から89年5月にかけて、週に一度深夜に再放送されていた頃に意固地になって『トワイライト・ゾーン』を留守録していたのだ。
この頃に録画したVHSテープをDVD化するという、めんどくさい作業がようやく完成した。
数えてみると、録画できたのは88本。
こんだけ録画していればほとんどのエピソードを録画できただろうと思い込んでいたのだが、一説によると、日本で放映されたのは152話もあるらしい。
という事は、全エピソード中、ようやく過半数を超えたに過ぎないのか。
基本的に30分枠だが、シリーズ末期は60分枠(それぞれ実質25分、50分くらいか)に拡大されている。
どちらも1話完結である。
ただし60分枠は、時間をもてあましてストーリーがダラダラと饒舌すぎて面白みが足りない。
ワタクシの場合、初期の30分枠のエピソードのほうが面白く感じられる。
1話完結なので、毎回、時代も場所も登場人物も入れ替わるのだが、世間知らずのワタクシごときでも一見してどっかで見覚えのある俳優が出演しているのも楽しみの一つで、
例えば、後に『スター・トレック(宇宙大作戦)』のカーク船長役が当たり役となる若き日のウィリアム・シャトナー。
別のエピソードになるが、同じくスター・トレックのミスター・スポック役のレナード・ニモイ。
さらにチャールズ・ブロンソンが登場する回もあった。
最終戦争後に生き残った男女の争いを描いたたった二人しか登場しないエピソードなのだが、この時に共演している女性は、後の「奥様は魔女」のサマンサ役エリザベス・モンゴメリーという女優らしい。
「奥様は魔女」も何度も見たコメディー風のTV番組だが、まさか同一人物とは思いもよらなかった。
もう一人、死神役で出演したロバート・レッドフォード。
顔を見ると似ているなぁと感じたが、TV画面ではちょいと上背が足りないしと思っていたら、どうやら若き日のレッドフォードその人らしい。
他にも、後に有名俳優有名女優となる人が、無名時代にもっとたくさんトワイライト・ゾーンに出演しているのかも知れない。
調べてみるのも面白いかもしれないが、無知なワタクシにできる事ではない。
ワタクシの録画コレクション88本の中で、面白さ一番のベストのエピソードを選びたいところだが1本だけには決めかねる。
『キングナイン号帰還せず』と『遠来の客』の2本が出色のできだと思う。
DVDのボックスセットも出ているようだが、今のところそこまでは手が回らないのだ。